あなたは、理由もなく突然感じる強い不安や恐怖、それに伴う動悸・発汗・震え・吐き気・しびれなどに悩んでいませんか?
もしかしたら、パニック障害の症状である「パニック発作」かもしれません。パニック障害は100人のうち1~3人の割合で生じ、特に発症しやすいのは25~35歳の間です。
これから、パニック障害の原因について考えていきます。もし、あなたがこのような症状に悩んでいるなら、ぜひ参考にしてください。
母親が原因かも!?パニック障害と家庭環境の関係とは?
パニック障害の発症には、心の葛藤、人間関係のトラブル、疲労の蓄積など、さまざまな精神的ストレスが関係しています。
特に幼少期、親戚や地域からのサポートを受けられずに、孤立した母親との緊張状態におかれた場合は注意が必要。将来、パニック障害も含めた精神疾患につながる可能性もあるためです。
パニック障害の原因は幼少期の母親との関係性にあるケースが多い
幼い頃、安心・安全な家庭環境が整わないと、成長してからパニック障害になりやすいのではないかと言われています。
特に虐待、親との別れ、度を超した介入による躾(しつけ)、塾をはじめとする教育でのプレッシャーなどが発症の要因になり得ます。
乳児が母親(または母親的な養育者。以下、母親と書きます)に向かって泣き、要求をし、抱きつくこと。また、今度は母親がそれに応じて乳児の要求をみたし、安心させることによって形成されるのが「愛着(attachment)」です。
母親が何らかの理由で、乳児の要求に応えることができないと、この「愛着」が乳児のなかで上手く育っていきません。
その子は、「こころの傷」を長期的に抱え解消されず、それがパニック障害の原因にもなっていきます。
愛着の形成が不安定なまま成長して子供を産み母親となった場合、その子供にも同じような問題が生じやすいと言われています。愛着の問題は、世代間で伝わっていくのです。
夫婦間の関係がパニック障害の原因になることも
夫も妻も母親との「愛着問題」が解消できていない場合、お互いに依存の欲求をぶつけあうような関係となります。
ただ依存しあうだけの関係にとどまれば、それぞれの役割を上手く果たせず、葛藤が生じることに。このような偏った夫婦関係が、パニック障害を引き起こすケースもあります。
ときには、子供が夫婦(両親)の問題の渦中におかれることによって、子供自身が精神疾患にかかることも。
「個人」を考えるだけでは問題の解消につながりません。家族という「システム」に注目していく必要があるのです。
パニック障害は遺伝する?脳との関係とは?
母親との離別、虐待や愛着の問題など、環境的なアプローチだけでは、パニック障害の原因として満たすことはできません。
双生児の研究や、子供・親・きょうだいを調べた研究からは、パニック障害に遺伝的な要因が関与しているという報告が多数あるようです。
つまり、環境的な要因と遺伝的な要因の両方が関係しているということ。そして現在、治療の面では環境的要因を掘り下げるよりも、精神薬理学や臨床遺伝学的な立場からアプローチする方法が主流となっています。
パニック障害は、脳内神経伝達物質(ノルアドレナリンやセロトニンなど)が上手く働かないことが問題だと考えて、その機能障害をSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や三環系抗うつ薬、ベンゾジアゼピン系抗不安薬で治療できるようになりました。
薬物療法で症状がおさえられ、日常生活にほとんど影響のなくなった人も。ただし、抗うつ薬や抗不安薬には、注意すべき副作用もあります。医師や薬剤師との十分なコミュニケーションが不可欠です。
そのストレスがパニック障害の原因かも
愛する人との別れや家族の死など、非常に大きなストレスは、パニック障害発症の可能性を高めます。
しかし、体や心の疲れがたまっている、子育てや人間関係の問題がある、仕事が忙しすぎるなど、一つひとつのストレスが大きくなくても、それらが重なることによって、パニック障害をひきおこすこともあります。
依存傾向の高い人は危険
特に電車や高速道路など「誰にも助けてもらえず、逃げられもしない」場面での不安やストレスを数多く体験することから、パニック障害のある人は、家族・親友などに依存しやすくなります。
また、そのように「助けてくれる身近な人」だけと関わるようになると、社会との接点が失われ、ますます依存が強まってしまいます。
したがって、もともと他者への依存傾向が強い人は、注意が必要。依存が強まれば、自分だけでなく、身近な人たちも苦しくなるからです。
依存の問題は長期的に対処していくことが重要ですから、医師や臨床心理士によく相談してくださいね。
パニック障害になりやすい性格ってあるの?本音を言えない人がなりやすい?
性格的な要因も、パニック障害に関係すると言われています。
・本音を胸の中にしまって吐き出すことができない
・もともと不安になりやすい
・どんなことに対しても過敏に反応する
・ストレス耐性が弱く傷つきやすい
・他人に気をつかい過ぎる
・内気で自分から積極的に行動しづらい
・素直すぎて人に逆らえない
このような性格の人は、日頃から心身の状態に十分気を付けてください。「パニック発作ではないか?」と感じる症状が起こったら、すぐに医師の診察を受けることをお勧めします。
まとめ、パニック障害とどう向き合うか
パニック発作が起こると、再発を恐れる「予期不安」から電車に乗れなくなったり、劇場に入れなくなったり、行列に並べなくなったりして、日常生活にさまざまな問題が起こります。
早めに受診し、薬物療法や認知行動療法を受け、「不安の発生→身体症状の悪化→さらに大きな不安の発生」という悪循環を断ち切らなくてはなりません。
セルフヘルプグループ(自助会)に参加し、時間をかけてパニック障害に向き合っていくことも効果的です。
病気の原因を知り、対処法を知り、それを実際に行えば、生活の質(QOL:quality of life)を保ち、さらに向上させていくことができます。もし、あなたが悩んでいるなら、どうか勇気を出して医療機関に連絡してくださいね。
大切な人がパニック障害を持っている、または、ご自身のパニック障害と向き合いたい方へ
パニック障害の根本原因の解消に向けて
パニック障害は、専門的な医療機関での治療が第一ですが、根本的な原因を探る方法は他にもあります。以下の動画から、自分の過去を掘り下げ、原因を掴むための参考資料を得ることができます。
【パニック障害の原因を探るための紹介動画】
ビデオで紹介したPDF資料にご興味のある方は、以下のフォームにあなたのお名前(ニックネームでも可)と、メールアドレスを入力し送信してください。折り返しURLをお送りいたします。