休職とは
休職の定義
休職とは、労働者が雇用契約を維持したまま、自分の都合で長期間仕事を休むことです。
病気やケガなどで会社を休む傷病休職、ボランティアへの参加などのために休む自己都合休職、自身の希望で留学するために休む留学休職、逮捕・交流などケガや病気以外の理由で休む事故欠勤休職などの種類があります。
この記事では傷病休職について説明します。
参考:第3回 社員がメンタルヘルス不調で休業することになったら:社会保険労務士に聞いてみよう-メンタルヘルスQ&A-|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
休職している間のお給料はどうなるの?
休職中の給与やボーナスはどうなるの?
自己都合による休職中は会社に給与の支払い義務はありません。
そのため一般的に休職中は給与は支払われません。
休職中の社員にボーナスを支給するかどうかは法律で一律に定められていないので、会社の就業規則や労使既定に従って決められます。
休職中にもらえるお金
病気やケガのために仕事を休み、そのために事業主から十分な報酬を受けられない場合に傷病手当金が支給されます。
傷病手当金を受けるためには下記の条件をすべて満たす必要があります。
1. 業務外の病気やケガの療養のための休業であること
2. 仕事につくことができないこと
3. 連続する3日間を含む4日以上仕事につけないこと
4. 休業した期間に給与の支払いがないこと
休職できる人、できない人
休職できないこともある
休職は法律で定められているものではなく、あくまでその会社が休職の制度を設けている場合に利用できる制度です。
自分が休職ができるのかどうか、休職の申し出方法、休職できる期間などは会社の就業規則を見て調べましょう。
休職の制度は正社員のみが利用できるのが一般的です。
障害者雇用でも休職できる
障害者雇用でも働いている場合でも、就業規則で定められている場合は休職の制度が利用できます。
参考:「休職」は当然の権利だと思っていませんか? | 弁護士が解説 法的にアリ?ナシ? | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース
どうやって休職するの?
医師の診断書が必要
休職するための手続きは就業規則によりますが、一般的に傷病休職では医師の診断書を提出する必要があります。
休職は会社が定める制度なので、医師の診断書が直接に休職の可否や条件を決めるわけではありません。
診断書などを受け取った会社が最終的に休職の可否を判断します。
休職を断られる場合もある
就業規則に定められた、休職制度を利用できる要件を満たしていない場合は休職を願い出ても拒否されることもあります。
勤続年数、出勤率など、就業規則で定められた条件を満たしていないと、休職制度が利用できない場合です。
休職を受け付けず、休むなら退職するように促されるケースもあります。
就業規則の休職できる条件に当てはまっているにもかかわらず、休職を拒否される場合は違法の可能性があります。
参考:うつ病でも休職できない場合がある?休職を拒否されたときの対応 | 労働問題の相談なら労働問題弁護士ガイドby浅野総合法律事務所
どれくらい休職できるの?
休職できる期間
休職できる期間についても会社の就業規則で定められてるので、会社により異なります。
一般的には3か月~3年くらいまでが一般的です。
休職できる期間の上限を定めている会社がほとんどです。
休職期間が満了しても復職できない状況の時、休職期間を延長できる制度がある場合もあります。
傷病手当金の支給期間
傷病手当金が支給される期間は支給を開始した日から通算して1年6ヶ月です。
以前休職した労働者が再度同一の疾病で再び休業する場合(二回目以降の休職の場合)は、最初の傷病手当金の起算日から1年6カ月を超えて支給されません。
同一の疾病でも、一度治癒し相当期間終業後に再発した場合は支給される場合もあります。
詳しくは保険者に確認しましょう。
参考:傷病手当金 | こんな時に健保 | 全国健康保険協会
参考:第7回 こころの病で再休職した場合、傷病手当金を再度支給できる仕組みはあるの?:社会保険労務士に聞いてみよう-メンタルヘルスQ&A-|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
休職をやめるには
復職の手順
体調がよくなり、復職したいと思ったら、まずは主治医に復職の意思を伝えます。
主治医から復職が可能と判断されたら診断書を書いてもらい、会社の窓口担当者に提出します。
それを受けて職場のほうで復帰のための職場復帰を支援する計画を立て、職場に復帰させるかどうかの最終的な判断を行います。
復帰後再度休職してしまう事のないよう、きちんと復職できるためのサポートをする必要があるためです。
具体的には短時間勤務や時差出勤などで少しずつ出勤できるようにサポートしたり、残業の禁止や出張の制限などの復帰後の就業上の配慮を行ったりします。
リワークプログラム
休職前と同様に勤務する前に、施設へ通って時間通り会社で通勤するための訓練を行うことを復職支援プログラムまたは職場復帰支援プログラムと呼びます。
復職支援プログラムは職場で行われる場合、医療機関で行われる場合、地域障害者職業センターで行われる場合があります。
利用を希望する場合、主治医や会社の産業医、リワークプログラムを行っている施設のいずれかに相談しましょう。
プログラムではオフィスワークや軽作業を行ったり、再発防止のための疾病教育や認知行動療法、SST(ソーシャルスキルトレーニング)を行ったりします。
初期には集団生活に慣れるためのスポーツやレクリエーションなどが実施される場合もあります。
関連記事:リワークとは?職場復帰に有効な理由は、再発の抑制効果にあり!
参考:職場復帰の準備 -本人向け- | うつ病 | すまいるナビゲーター | 大塚製薬
参考:日本うつ病リワーク協会/リワークプログラムについて
休職のデメリット
再発・再休職する場合もある
うつ病などで休職し、復職した後に再度休職になるケースも少なくありません。
休職できる期間が上限を超えたり、回復の見込みなしと判断された場合は退職になる場合もあります。
再休職の防止のためにリワークプログラムの利用も検討しましょう。
環境を変えるために退職したほうが良い場合も
休職期間が終わっても、すぐに元通りの条件と環境で働けるわけではありません。
時間をかけて段階を経て再発防止プログラムなどを行って復職する必要がある場合がほとんどです。
復職しても職場の環境自体が変わらない場合は、再度休職になってしまう可能性もあります。
思い切って退職・転職したほうがかえって社会復帰が早くなる場合もあります。
関連記事:【体験談】うつ病で復職と休職を繰り返す後、再就職を決めた理由とは
関連記事:障害者雇用の就職活動総まとめ!自己分析から内定後まで
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まとめ
休職の制度はセーフティネット
休職後、再度休職になったり退職したりするケースもありますが、病気やケガになって働けなくなった場合にすぐに会社を辞める決心がつかない場合など、休職の制度は心強いですね。
また、休職したら必ず復職しなければならないわけではありません。
まずは休職し、休職中に退職することも可能です。
一旦休職して病気やケガを治療しながら、転職の準備をすることもできます。
休職の制度が利用できる場合は、選択肢の一つとして検討しましょう。
参考:こころの病気への支援や助成など|治療や生活へのサポート|メンタルヘルス|厚生労働省
参考:相談窓口のご案内|あかるい職場応援団 -職場のハラスメント(パワハラ、セクハラ、マタハラ)の予防・解決に向けたポータルサイト-
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