就職活動中、『実務経験』という言葉を目にする
求人票などで『実務経験』というワードを目にする
ハローワークでの求人票、または就職紹介サイトなどで紹介している非公開求人など、いまは様々な形態から就職活動を行うことができます。その求人票などの記載事項で「実務経験」という言葉を目にしたことがある方が多いのではないでしょうか。
何が「実務経験」なのか、具体的にはわからない
何となく、漠然としたイメージしかない
「経験」とあるがゆえ、業務の経験なのかな…という雰囲気は感じているかもしれません。中には「実務経験あり」の条件を見ただけで諦めてしまうというケースもあるでしょう。
しかし『実務経験』とはどんなことを指すのか、具体的な意味を知らないまま諦めてしまうことは勿体ないことなのです。そこで今回はこの『実務経験』について詳しく説明しいていきましょう。
実務経験とは?
実務経験とは
「実務経験」とは、ある職種に就いたことがあり、その職種に関する特別なトレーニングやOJT(職場内において、管理監督者の責任のもとで行われる教育訓練全般)を受けなくても、すぐに業務を進められることを意味しています。いわば、実務経験とは企業にとって「即戦力であるかどうか」を測るための指標なのです。
例えば「受付の実務経験」の場合、
・受付業務
・接遇
・電話応対
・来訪者応対
このような経験を指します。したがって受付の仕事をしたい、と希望する場合は上記を過去の職場で経験しているかどうかがポイントになるのです。
参考:実務経験とは?実務経験がないと就職できない!?|派遣コラム【スタッフサービス】
参考: OJTとは?定義と関連用語 | OJTコーナー|ナビゲート
企業が実務経験を求める理由は?
ではなぜ、ここまで企業は実務経験を求めるのでしょうか。それは先ほども触れた「即戦力として働いてほしい」ことが理由です。これをもう少し細かく説明しましょう。仮に「実務経験がない場合起こること」をイメージしてみてください。
・就職した社員に仕事を教える要員(労力や人件費)が必要になる
・就職した社員が覚える間、周囲が仕事のフォローする必要がある(新入社員の業務を一部受け持つ、など)
このようなことが必要になります。そのため、就職した社員が一連の業務をできるようになるまで職場全体に負担がかかってしまうのです。この負担を軽減するために、実務経験を持つ人材を求めるのです。
次は障害者雇用で『実務経験を求めるケース・求めないケース』をお伝えします。応募前に見極めるヒントになれば幸いです。
【障害者雇用】実務経験を求めるケース
前任者の代わりを雇用したい
障害者雇用も、今では担当業務を持って仕事をしているケースが増えています。その担当者が「辞めます」となった場合、代わりの人間を探さなくてはいけません。これが入社後に前任者との引き継ぎの機会があるのであればよいですが、大半の場合その機会はないでしょう。だからこそ、入ったと同時にこれまでと同じパフォーマンスで行ってほしいという期待から、実務経験を求める場合があります。
【実務経験として認められにくいケース】
関連の資格を持っているが、実際に業務を行ったことはない
【実務経験として認められる可能性があるケース】
関連資格は持っていないが、業務の流れを経験している
この2点を特に注意しておきましょう。あくまでもポイントは「就職後教えなくてもある程度の業務が行えるかどうか」なのです。特に専門職を希望する場合は実務経験を求められるケースが多いので、求人票などで事前に確認しておきましょう。
職場定着が望めるかどうかを確認したい
特に精神障害者雇用の場合、体調キープが難しくすぐに離職してしまうケースもあります。業務内容などこれまでと異なる環境というだけでもストレスになりがちです。これが「過去に経験してきている」となれば、「この業務は続けられている」と安心する材料にもなるのです。
実務経験を求めないケース
育成期間を設けている
就職後トレーニングする期間が設けられている場合、実務経験を求めないことがあります。例えば障害者雇用の場合上記のほかに職場実習やトライアル雇用などの制度もあるのです。このように正式に就職となる前に業務の一連の流れを体験できるケースも、実務経験を問われないことがあります。もちろん、経験があればさらに有利に進めやすくなるのです。
企業の方針に従って業務をしてほしい(過去の経験を参考にしないでほしい)
仮に同じ業種や業務内容を経験してきても「うちのスタイルで仕事をしてほしい」という場合、実務経験を問われない場合があります。
定型的、補助的な業務を任せたい
実務経験を問われないのは、主に「職種」というより「職務内容」に関係してきます。特に「事務職」に多いですが、どの仕事でも定型的・補助的な業務を任せる場合は実務経験を問われないケースがあります。
これは「定型」であれば、あらかじめマニュアルなどに沿って行うために、トレーニングする期間や労力が不要なことがあるためです。「補助」の場合、メインで担当している社員の指示を受けて業務を行うことができるため、実務経験が問われないことが多いのです。
しかし注意しておきたいのは、事務職であっても高度な専門スキルを求められる場合もあります。あらかじめ求人票の内容を確認し、専門的なスキルが必要かどうかをチェックしておきましょう。
実務経験がなかったら、どうすればいいの?
「この仕事をしたい…でも、この求人は実務経験が必要と書いてある。だから諦めた方がいいのかな…」こんな悩みを抱えていませんか?特にこれまでと全く違う業種にチャレンジしたいとなれば、実務経験はありませんよね。
しかし、これまで行ってきた業務の中で「実務経験に該当する」ことがあるかもしれないのです。次は、「実務経験の探し方」について説明していきましょう。
「経験の棚卸し」をしてみよう
希望している業種の経験がないからといって、全く業務経験がないと諦めるのは早いのです。これまでの経験の中でどんなことをしてきたか。一度「棚卸し」をしてみましょう。
これまでに担当した業務を書き出してみる(電話応対、請求書作成・発送、名刺発注など)ことです。これはアルバイトや派遣社員での経験も同様に行うことも大切になります。
これらを整理して、履歴書や職務経歴書に記載して伝えるようにしましょう。
就職活動での不安は、就労移行支援に相談してみよう
「障害者雇用で働きたいけど、自信がない…」「受けたい仕事の実務経験がない…」このような悩みを抱えていませんか?そのようなときは「就労移行支援事業所」の利用を検討してみましょう。
就労移行支援は、障害を持つ方の働くニーズに合わせたアドバイスや訓練を受けられる施設です。事業所の中には、資格取得だけでなく実務に応じたトレーニングを行えるところもあります。もちろん、通所しながら職場実習を受けられるチャンスがあるケースもあるのです。
「就労移行支援に通ってみたい!」「一度事業所と相談してみたい」と感じたら、Salad編集部までご相談ください。あなたのニーズに合う事業所探しのお手伝いを致します。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
受けたい業務に「実務経験」があった場合、その業種の経験がなくてもさらに詳しく見ていくことで、該当する(もしくは代わりになる)経験が見つかる可能性もあるのです。そのために、まずはこれまでに自分が行ってきた経験(仕事に限らず)を細かく見直していくことから始めてみましょう。