身内に知的障害者がいると子供に遺伝するの?症状や原因から解説

知的障害は、家族の支援が必要である

知的障害とは

知的障害とは、精神遅滞とも表される、知的発達の障害です。知的・適応機能について判断され、知能指数によって分類されます。

様々な中枢神経系疾患が原因となることが多いため、医療機関の診断を受けて、早期に治療・療育・教育を行う必要があります。本人のみならず、家族の支援も必要となる障害のひとつです。

男性の方が若干割合が多い

知的障害を持つ方はおよそ1パーセント前後です。男女比は1.5:1の割合で、男性の方が若干多い統計になっています。

参考:厚生労働省 障害者の範囲

知的障害の症状

学習技能の習得が苦手

年齢に相当した字の読み書き、数字の計算などの学習技能の習得が難しいです。この場合、周囲の方の支援が必要な場合が多くあります。

柔軟な考えから対処することが苦手

抽象的思考や実行機能、短期記憶の障害があります。計画を立てたり、複数の物事に優先順位をつけることが苦手です。そのため、臨機応変な物事に対応することが難しいです。

コミュニケーションが苦手

言葉のやり取りや、相手が話した意図を正確に把握するのが苦手なことがあります。

自己のコントロールが苦手

年齢に応じて、自分の気持ちや行動をコントロールすることが苦手です。食事や身支度など、日常生活の行動にも一人でできるまでに時間がかかることがあります。

ただし、障害の症状によって個人差があり、年齢やトレーニングに応じて改善することもあります。

知的障害の症状をまとめました。続いて、診断方法、原因を確認したうえで遺伝についてご説明します。

知的障害の診断方法

知的障害の診断方法は知能検査によって行われます。知能指数(IQ)が70以下である場合、知的障害と判断します(知的障害を持たない方の場合、知能指数100前後の方が多い)。この時に、原因である疾患についても調べます。

さらに知的障害は、知能指数の値によって「重度」から「軽度」などの4段階に分けられます。

知的障害の原因

病理的要因

○染色体異常・自閉症などの先天性疾患
○出産時の酸素不足・脳の圧迫などの周産期の事故
○生後の高熱の後遺症

などの、疾患・事故などが原因の知的障害です。

脳性麻痺やてんかんなどの脳の器質的な障害や、心臓病などの内部障害を合併している方もおり、体も健康状態ではないことが多いです。

生理的要因

特に知能が低くなる疾患を持っていることはありません。ただし、知能指数が低くて障害とみなされる範囲(IQ69または75以下)である場合にあたります。

生理的要因から偶然にも遺伝子の組み合わせで生まれたことなどが原因です。

この原因から知的障害が見られた場合、合併症を持たず健康なことが多いです。知的障害の症状も軽度な方が多いです。知的障害を持つ、ほとんどの方がこの要因です。

環境(心理的)要因

生まれたあとの環境で発生する知的障害です。家族など、養育者との会話不足など、不適切な発育環境が原因で発生する知的障害です。

この場合、リハビリや精神的なケアによって知能が回復することもあります。

身内に知的障害を持つ方がいた場合、遺伝することはあるの?

知的障害の原因はさまざま

先にお伝えしたとおり、知的障害の原因は生まれた時からその後発症する病気、環境などさまざまです。

遺伝子の影響がある考え方も一部言われていますが、まれに知的障害を持つ親の遺伝子が子に伝わるケースのみです。ですから、「遺伝する」という可能性は低いです。

また、遺伝性の疾患は、正常な遺伝子や染色体の突然変異により起きます。

必ず知的障害が遺伝するとは言い切れない

つまり、親が知的障害を持つ方だとしても、それが子どもに必ず遺伝するということはありません。また、遺伝したとしても必ず知的障害が発生するとは限りません。

したがって親や身内が知的障害を持つ方でも、必ず子供が知的障害になるということではありません。

知的障害を持つ方でも、社会で活きる方法がある

ここまでは、知的障害は遺伝による発症とは言い切れないことについてお話ししました。

知的障害は様々な合併症を持つことや、成人になるまでにも苦労が多いかも知れません。「もしかしたら自分の子供にも同じ辛い思いをさせてしまうのでは…」と不安になるかもしれません。

しかし、現在はそのような知的障害も個性として社会で活躍していく「カスタマイズ就業」という考え方があります。

興味がありましたら、下記の関連記事を参照していただき、Salad編集部までご連絡ください。

関連記事:知的障害の方は就職できない?強みを活かす方法はあるか

まとめ

いかがでしたでしょうか。

あなたや身内の方が障害を持つと、あなた自身で受け入れられていても、子供に同じ思いをさせたくないと心配しがちです。しかし、必ずしも知的障害が遺伝するということはありません。

あなたや身内の方が持つ障害を家族で受け入れていれば、どんなお子さんが生まれても、必ずあなたを見て元気に育っていきます。