清潔感ある服装ならOKってどういうこと?
“清潔感のある服装”という言い方がわかりにくい人へ
就職活動やコミュニケーション上のアドバイスで”服装は清潔感があればOK”とよく言われます。
ASDの当事者でもある私個人としては、具体的な内容が何一つ読み取れないため言う意味がない言葉だなという感想を持っています。
相手との関係や発言の状況によっては人間関係の悪化を招くかもしれません。
かと言って言われた方が「具体的にはどういうことですか?」と聞いたら逆に怒られそうですよね。
この言葉で求められている具体的な対応について読み解いていこうと思います。
“何かを新しく買うべき”という意味ではない
今の服が悪いから新しく買えばいいという意味ではない
清潔感のある服装を心がけるべきと言われたとき、服装という言葉は衣服の選択(ブランドや価格)だけを指しているわけではありません。
新たに服を買うべきか、どの店の商品を買うか、どのようなデザインの服を買うかということではありません。
清潔さを保つ生活習慣を身に着けるとよいという表現のほうが近い意味になります。
具体的には入浴して体を洗うことと、衣類を清潔に保つことがメインとなります。
参考:vol.4:服のブランドなんかより、大人のおしゃれに必須なのは「清潔感」一択! |Domani
参考:清潔感のある男になるために必要な4つの知識! | ファッション | FINEBOYS Online
清潔感をキープする習慣
習慣にしたいこと
下記のようなことを習慣にして続けていれば、ほとんどの人から清潔感があると思われる状態になるはずです。
【1】毎日やること
入浴と洗顔・洗髪
できるだけ毎日入浴して髪・顔・体を洗う習慣をつけましょう(※体調や病気などが理由で頻繁な入浴が無理な場合を除く)。
毎日の入浴を続けていれば服装に問題ない限り清潔な印象が保てます。
特に顔は重要で、鼻・口・耳の周辺の汚れが落とせていないと不潔な印象になりがちです。
毛穴の汚れが気になるときは酵素洗顔(粉末のもの)を数日おきに何回か使うと、黒ずんだ毛穴の汚れが改善することが多いです。
他にも毛穴の汚れを落とす洗顔料で評判が良いものもありますので、家族や知り合いに使っている洗顔料や使った感想を聞いてみるのもよいでしょう。
ただし肌に合う・合わないの個人差があるので、肌がかぶれたり荒れたりした場合は使用を中止して皮膚科医に相談し、適切なケアの仕方を教わりましょう。
他にも重症のにきびやかゆみ・かぶれなど、皮膚の健康の問題が数週間~数か月続いているときは皮膚科医に相談しましょう。
フェイスマスクの汚れも感染症対策や肌の健康に悪いだけでなく不潔に見えるので、こまめに交換しましょう。
特に化粧品など目に見える汚れがついてしまった時はすぐに替えましょう。
また、暑さや運動をしたせいで多く汗をかいたとき(服が汗でしっとりする程度以上の場合)もできれば入浴するかまたはシャワーを浴びましょう。
毎日、洗濯した服を着る
洗っていない衣服は見た目の汚れだけでなく感染症や悪臭などの原因となる場合があるので、毎日選択した服に着替える習慣をつけましょう。
洗った後の衣服のにおいが気になる場合は、部屋干し用の洗剤や酸素系漂白剤(ワイドハイターやオキシクリーン)などを利用することで軽減できます。
衣類に大きな損傷がなくにおいだけが問題の場合、熱湯で10分程度煮ることで軽減する場合があります。
着古して気に入っている服や古着などが変色していたり嫌なにおいがしていたりするときは、あきらめて捨てる前に煮洗いを試してみてもよいでしょう。
ウール・シルクなどの熱に弱い素材でできた衣類は傷むため、煮洗いは避けましょう。
洗濯機の内部の汚れが原因で洗濯物から嫌なにおいがすることもあるので、専用の洗濯槽クリーナーや洗剤などを使って洗濯機の内部もきれいにしましょう。
【2】毎週やること
手を清潔にして爪をととのえておく
爪が折れたり欠けたりしない・または汚れがつかない程度の長さに切りましょう。
特に入浴後が柔らかくなって切りやすいです。
伸びる速さは生活や体質によってがありますが、”3日おき、寝る前に”、”金曜の入浴後”などタイミングを決めてしまうと忘れにくいでしょう。
切れ味のよい爪切りで切った方が切るときの不快感が少ないので、切るのに力が要り切りにくい時やギザギザに切れてしまい肌を傷つけたりするときは爪切りを新しいものに変えたほうがよいでしょう。
爪が折れたり割れたりしやすい人はたんぱく質を多く摂るよう心がけましょう。
たんぱく質を多く摂りたいときはプロテインパウダーの利用も手軽です。
また、マニキュアやジェルネイルを行う人は清潔に保つことに気を付けてください。
手足の爪・指を清潔にできないと、菌が繁殖して爪水虫などの病気を招くこともあります。
爪の変色や割れる・折れるなど、今までにない見た目の異変が起きた場合は爪水虫などの皮膚疾患の場合もあるので、気になるときは皮膚科を受診しましょう。
参考:爪切りのやらせレビュー無しの人気ランキング|サクラチェッカー
参考:神戸新聞NEXT|連載・特集|話題|あなたは大丈夫?「爪水虫」はマニキュア女性に増えている 寒くなっても条件が整えば白癬菌が増殖
ハンドクリーム・ワセリンで保湿する
乾燥しやすい冬季や頻繁な手洗いをするときなど、手指の皮膚が白くカサカサになったり、さかむけ(ささくれ)や小さな切り傷ができたりすることがあります。
ハンドクリームやワセリンなどで保湿を行うと改善することが多いです。
就寝前に塗れば触るものが汚れにくく、塗ったハンドクリームも取れにくいので効果的です。
ワセリンは革製品の手入れ、ペットの肌の乾燥対策など他のさまざまな用途にも使えるので、何を買うか迷ったらワセリンを試してみることをおすすめします。
ワセリンが大容量で売っているものが多いために購入を迷っている場合、100円ショップやドラッグストアのリップクリームのコーナーなどで少量のものが売られています。
参考:【検証】防水スプレーVSワセリン!ワセリンは防水スプレーの代用品として使えるのか? |革と暮らすブログ
参考:お鼻つるつる☆ – 立川市の動物病院 犬・猫の病気や予防接種に-マミー動物病院
参考:ワセリンで愛犬の肉球&スキンケア|わんちゃんホンポ
【3】毎月やること
頭皮の健康に気をつけ、1~3か月に一度程度プロに髪を整えてもらう
髪型や髪色自体は勤務先の規定に違反しないもの・似た髪型をしている人をほとんど見ないような奇抜なものでなければ問題ありません。
男性や髪が短い場合は1~3か月に一度くらいの頻度で美容院や理容室などに行くことで髪型をキープできるでしょう。
髪型や髪色より、頭皮の健康状態がよく見えるかどうかに注意しましょう。
清潔できれいな髪に見える人の多くは頭皮の健康状態がよく、ふけなども目立ちません。
頭皮の肌トラブル(湿疹やできもの、肌荒れ)やふけ、痛みやかゆみなどの健康の問題が数か月以上続く場合、代替医療や市販の薬品で何とかせずに、まずは皮膚科医に相談しましょう。
参考:中央区築地の皮膚科|いしいクリニック築地|頭にフケをきたす疾患
参考:脂漏性皮膚炎|さぎのみや皮膚科クリニック 中野区 鷺ノ宮 中村橋 都立家政
【4】シーズンごとにやること
古くなって傷んだ衣服を処分し、必要なら新しいものを買う
衣類は長期間着用すると繊維の間に残った雑菌やカビのせいで悪臭がするようになりやすいです。
無理に新品を購入する必要はありませんが、仕事で人に会うときはなるべく持っているものの中で新しい衣類を着ると安心です。
防寒着や冠婚葬祭で着る服は使った後クリーニングに出す
寒い時期が終わりコート・ジャケットの衣替えのときや、スーツや礼服を結婚式・法事・就職活動などで特別に着たときは、しまう前にクリーニング専門店でクリーニングしてもらいましょう。
汚れがついたまま長期間しまうと、シミ・害虫などのせいで衣服が傷んだり、服の寿命が短くなったりする場合があります。
傷んでいない靴を履く
これから書く内容は作業靴・安全靴など仕事に必要な機能を持つ靴が必要な場合は除きます。
そのような仕事用・目的別の靴を使う場合は、安全を第一に就業規則を守って使用・点検してください。
それ以外である程度靴を選ぶ自由があるときは、人に会うときのマナーを守り清潔感のある服装をするするためには、持っている中でなるべく新しい靴を履くようにしましょう。
毎日履いた場合、安い靴やスニーカーなど(一万円以下程度)が清潔感をもって履ける”寿命”は数か月程度です。
自分の靴の汚れやにおいは気づきにくいことがよくあります。
泥がついて汚れた靴や、靴が汚いせいでにおいもきつい靴と足で入ってこられるのは、仕事でも友人・知人と会うときでも失礼ですし避けられます。
こまめに汚れを落として履いていた場合でも、底がすり減ったり表面の合成皮革が傷ついたりして不潔な印象になってしまい、内部の革や布にしみついた汚れやにおいは落ちません。
また、底がすり減った靴は雨の日など滑りやすい時に転倒のリスクがあるので危険です。
自分で”くさい”と感じないから大丈夫と思いこまず、安い靴の場合は数か月で替えるようにしましょう。
靴全体は新しくてきれいな場合や新しく買うのが難しいとき、修理のお店で靴底のゴム板やヒールに巻かれた合皮などのパーツを交換することができます。
靴ひもが傷んだり汚れたりしたときは、靴屋や靴修理の店で紐だけでも買えるので、新しいものに交換してもよいでしょう。
靴修理のお店は駅構内や駅付近、大きなショッピングセンターの中などにあることが多いです。
服や鞄の修理または合い鍵製造のお店で靴の修理も受け付けているところもあるので、探してみてください。
服の修理
ボタンが取れたりポケットが破れたりといった簡単な修理は自分で行うと手軽で安く済みます。
縫い針と修理する部分に色が近い糸だけなら数百円から購入できます。
動画を見るとやり方がわかりやすいです。
ただし布に針を刺すなどしなくてはならないため、布地をいためるリスクもあるので無理に自分でやろうとするのはやめましょう。
できない場合は修理してくれるお店があるので、利用してみてもよいでしょう。
ボタンなどの簡単な修理に加えて、ファスナーの交換、袖丈を体に合わせて直してくれたり、汚損した部分を取り替えたりとより大きな修繕ができるプロもいます。
(お住まいの地名)+服+お直しと検索すると服の修理をしてくれるサービスを探すことができます。
クリーニング店で修理を受け付けているところでも対応可能な場合があります。
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まとめ
仕事の時のことで迷ったら支援者に相談する
記事の中でお役に立てる情報がひとつでもあれば幸いです。
障害や病気が理由で就労支援を利用している方で、仕事や就職活動のときの服装で疑問がある場合は支援者(学生なら就職課の指導員)に質問するというのも一つの方法です。
就職指導が職務の一部の人たちなので、社会人の常識として正しい答えを返してくれるはずです。
下記のようにできるだけ具体的に質問するとわかりやすい答え方ができると思います。
“職種は〇〇で内勤です。仕事中は革靴を履くよう指導されているのですが、この靴を履いていっても良いと思いますか?”
“就職面接で服装はスーツ以外でお越しくださいと言われたのですが、何を着ていったらよいでしょうか? 業種は○○で、○○する業務の職種に応募します。”
“このシャツを着ていたら上司に派手すぎると注意されてしまいました。代わりにこっちの服を着ていこうと考えていますが、どう思いますか?”
詳しい状況や理由などを添えて気になる点を確認しておくと、不安や失敗が減らせるでしょう。
人は服装だけを厳しくチェックしているわけではないので、気にしすぎない
とくに就活中の方は服装や身だしなみの事を気にしすぎて気に病まないようにしていただきたいと思います。
職務の遂行能力や面接での受け答えなどの重要な部分に問題がない場合、”靴下の色がおかしかった”という服の些細な異常だけで選考対象から外れるようなことはまずありません。
友人関係でも”服の趣味が合わない”だけで避けられるようなことは少ないはずです。
友だちづきあいをしたい相手と入浴・洗濯などの生活習慣が似ているか、コミュニケーションの面で気が合うかなど、他に改善できる点があるかもしれません。
身だしなみは重要ですが、細かいことが気になって不安になりやすい性格の人の場合、落ち着いて実力を発揮し心穏やかに過ごすためには、あまり気にしすぎないようにすることの方が重要かもしれません。
無理せず自分のできる範囲で考えていきましょう。
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