障害年金は、国から支給される公的年金のこと
「障害年金」とは?
障害年金とは、病気・けが・障害によって生活を送るうえで困難がある場合、国から支給される公的年金の一つです。
厚生年金保険、国民年金、共済年金(2015年10月に厚生年金保険に統合)に加入しているすべての方を対象に支給されます。
大人の発達障害だと、障害年金はもらえないの?
発達障害や精神障害も、障害年金の支給対象に該当する
障害年金の対象は身体障害・知的障害を持つ方のみでなく、うつ病、躁うつ病、統合失調症などの精神疾患なども含まれます。
もちろん、発達障害にあっても障害年金を受給できる可能性があります。広汎性発達障害、ADHD、ASD(自閉症スペクトラム)などが障害年金の対象です。障害の状況などを確認し審査が通れば、発達障害や精神障害でも障害年金をもらうことができます。
手帳の有無は関係なし。生活に支障があれば受け取れる可能性がある
「障害年金を申請するのに、障害者手帳を申請した方がいいのかな・・?」
このように悩んではいませんか?障害年金は障害者手帳がなくても、仕事や日常生活に支障が出ていれば受給の対象です。
なお、障害年金の等級と、精神障害者手帳の等級は無関係です。手帳の等級が1級だから障害年金も1級が支給されるとは限りません。ご注意ください。
発達障害を持つ方が受給対象の障害年金の種類
障害基礎年金
国民年金に加入している間に対象になった場合、障害基礎年金が支給されます。
種類は1級と2級があり、1級の方が支給額は高いです。また、18歳年度末(高校卒業の時)までのお子さんがいる場合、子の加算として支給額が加算されます。お子さんも障害等級2級以上の場合、20歳になるまで延長して加算することができます。支給額はお子さんの人数によって変わります。
下記の参照で金額の計算方法など説明されています。詳細を確認したい場合は参考としてください。
障害厚生年金
厚生年金に加入している間に対象になった場合、障害基礎年金に上乗せして支給されます。そのため、障害基礎年金の支給要件を満たしていないと受給できません。
障害厚生年金は等級が1級から3級まであります。こちらも障害基礎年金同様、1級が最も支給額が高いです。配偶者がいる場合、1級と2級には「配偶者加給年金」が追加されます。
注意点として、障害厚生年金は、その人の
〇平均標準報酬額(厚生年金保険料の計算の元となる額)
〇厚生年金に加入していた期間
などによって年金額は変わります。申請の場合は、事前に下記の参照をチェックして詳細を確認しておきましょう。
発達障害を持つ方の障害年金支給要件(受給できる要件)
それでは発達障害を持つ方が、障害年金の支給を受けるには、どんな条件が必要なのでしょうか。
障害基礎年金の支給要件
〇国民年金に加入している間に、障害の原因となった病気やケガについて初めて医療機関の診療を受けた日(これを「初診日」といいます。)があること
※20歳前や60歳以上65歳未満など、年金制度に加入していない期間でも日本国内に住んでいる間に初診日があれば上記に該当します。
〇一定の障害の状態にあること
【保険料納付要件】
初診日の前日において、次のいずれかの要件を満たしていなければなりません。ただし20歳前など、年金制度に加入していない期間に初診日があるときは、納付要件はありません。
①初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
②初診日の時期が65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
上記が障害基礎年金の支給要件です。下記に日本年金機構のホームページのQ&Aを掲載しました。先ほどのリンクと併せてご確認ください。
障害厚生年金の支給要件
〇厚生年金に加入している間に、障害の原因となった病気やケガについて初めて医療機関の診療を受けた日(これを「初診日」といいます。)があること
〇一定の障害の状態にあること
【保険料納付要件】
障害基礎年金の場合と同様です。障害厚生年金についてのQ&Aも下記の参照リンクをチェックしてみてください。
障害年金請求までの流れ
それでは、請求をするにはどのように行えばよいのでしょうか。請求場所は、お住いの年金事務所になります。
最後に、障害年金を請求するまでの流れをポイントに絞ってまとめました。
【障害年金請求の流れ(障害基礎年金・障害厚生年金共通)】
①障害年金制度の説明と病歴(現在の状態や通院歴など)を確認する
②初診日(受信状況証明書などにより)と年金の納付状況を確認する
③障害の認定日の確認と必要書類を準備する
※必要書類にあっては障害基礎年金はこちら、障害厚生年金はこちらをご確認ください。
④年金請求書と必要書類を提出する
請求後審査があり、結果が届くまでにおよそ3か月かかります。その間心配になりますが、じっくりと待ちましょう。流れについての詳細は、下記のリンクで分かりやすく説明しております。併せてチェックしてみてください。
参照:年金請求書提出までの流れ
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
障害年金は発達障害の方でも受給対象です。ただし、発達障害なら誰でも障害年金をもらえるというわけではありません。「生活に支障が出ていると認められた場合」にのみ支給されます。障害年金は、困難を感じる方のために平等に支給されるものなのです。
請求前には、家族などとよく相談して、慎重に考えましょう。その際、障害年金について不安に感じたら、お近くの年金事務所やかかりつけの医療機関に相談してみましょう。