発達障害グレーゾーンのニートでも仕事したい!実習がカギだった!?

ニートとは


仕事や通学、職業訓練、家事や家業の手伝いをしていない15~34歳の若者を指します。語源はイギリスでNEETは「Not in Education, Employment, or Traning」の頭文字をとった造語になります。

フリーターや失業者との違いは、働く意欲がないことで就労に向けた教育・雇用・職業訓練等にも参加していないという特徴があります。

発達障害とは

文部科学省のホームページによると発達障害とは、発達障害支援法には「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥性多動障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と定義されています。

つまり生まれつき脳機能に何らかの障害がある人のことを指します。

発達障害には一人ひとり特性や症状は異なります、様々な症状を併せ持つ人もいますが、大きく分けて3つのタイプに分類されます。
・自閉症スペクトラム障害(ASD):アスペルガー、高機能自閉症、広汎性発達障害
・学習障害(LD):読字障害、書字表出障害、算数障害
・ADHD(注意欠陥・多動性障害):不注意優勢型、多動性-衝動優勢型、混合型

発達障害は外見からはわかりにくく、障害による得意・不得意などから社会生活を送るのが困難になっている場合があります。

また、幼いころに診断を受けることが多く困りごとが少ない場合は発達障害でも大人になるまで気づかないことがあります。発達障害を疑ったら、発達障害に詳しい医師が在籍する医療機関で受診しましょう。

グレーゾーンとは、医療機関の診断をうけても障害認定されない方

発達障害の症状があると自覚していても、医療機関で障害認定されないこともあります。診断基準を満たしていなかったり、「自分は発達障害かも」と思っていながら医療機関を受診していない人もグレーゾーンと認識していたりします。

グレーゾーンのニートが就職活動するのは大変な理由

職歴がない

学生時代をうまく過ごせなかった経験から、社会に出るのを恐れそのままニートとなってしまうことがあります。そのため職歴がなく、職歴がないことが就職活動を行う上でマイナス点となっている場合があります。

コミュ力が低い

ニートで引きこもりがちだったり、家族や一部の人以外とのコミュニケーションが乏しかったりすると、コミュ力は低くなりがちです。過去のトラウマや性格、あるいは障害の為にコミュ力が低くなってしまっていることもあります。

面接ではしっかりとした受け答えや、人間性を見るためにある程度のコミュ力が必要とされます。就活する際にハローワークや就職・転職エージェントを利用する際にも面談などでコミュニケーションをとらなければなりません。

コミュ力を高くする必要はありませんが、必要最低限のコミュニケーションスキルは就職活動をするうえで重要視されてしまうことが多いです。

面接に通りにくい

上記にあげた「職歴がない」「コミュ力が低い」などの理由から面接が通りにくい場合があります。職歴もなく空白の期間が長かったりすると「この期間、どう過ごしていたのか」と面接で聞かれる可能性が大きいですし、それに対してうまく答えられないと面接も通りにくかったりします。

じゃあどうすればいい?

独学でスキルを向上

資格の勉強をしたり、特技を伸ばすなど、独学でスキルを向上させる方法です。ニートでも「資格の勉強をしていた」などの理由があれば面接で空白の期間何をしていたか聞かれても答えやすくなります。

なりたい職業や、活かしたい特技があるならば独学で勉強し、就職活動に役立てるのもアリです。ただ独学は自制できなければ怠けてしまったり、煮詰まってしまったときに一人で抱え込みやすかったりと、自己管理能力が高くないと挫折してしまう可能性があります。

信頼できる人に相談

親や友人、通院していれば主治医など、自分の信頼できる人に相談してみましょう。就労したい意思を伝えることで、就職活動の手助けや、求人の紹介など、力になってくれるかもしれません。

また、障害者雇用で就職したいことを主治医に伝えれば、障害者手帳取得に必要な診断書の作成や、発達障害かどうか知りたい場合は検査を受けることもできます。

就労移行支援にいってみる

就労移行支援に通って、就職に必要な知識やスキルを身に着けるという方法があります。障害のある人が一般企業に就職するためのサポートが行われ、学校のように通いながら、規則正しい生活を身に着け、知識やスキル向上のためのサポートをしてもらうことができます。詳しくは以下で説明したいと思います。

就労移行支援とは

就労移行支援とは、障害者就労支援法という国の支援制度に基づく就労支援サービスのひとつです。利用は無料のこともありますが、世帯収入によっては利用料がかかります。利用料に関しては、市町村役場の担当窓口で聞いてみましょう。

就労移行支援事業所の利用期間は2年間で、一般企業への就労の意思がある障害の方(65歳未満)を対象に、必要な知識やスキルの向上をサポートしています。提供しているプログラムは事業所によって異なり、パソコンの基本スキルからWebデザインやプログラミングなどの専門スキル、ビジネスマナーやコミュニケーション能力の向上など、学べることはさまざまです。

個別の支援計画に沿って、まずは自分のペースで通所することができます。また就労支援員に就職のことや体調のことを相談することが可能です。「就職先が見つからない」「どうやって就職活動をすればいいかわからない」「自分の障害や特性に合った働き方をしたい」などの不安や悩みの解消に協力してくれます。

就職後も定着支援として、就職先の企業の方を含めての定着面談や、困りごとがあったとき相談にのってもらえたりなどのサポートがあります。

・受給者証の取得はどうすればいい?
就労移行支援を利用するには「受給者証」が必要です。市区町村役場の担当窓口で申請しましょう。
その際必要となるのは
・障害者手帳もしくは医師の診断書や意見書
・サービス等利用計画
などです。くわしくは、窓口で説明してもらえるので、まずは住民票登録のある市区町村に問い合わせしてみましょう。

また、障害者手帳を持っていなくても、障害を持っていることを証明するものを提出すれば受給者証を取得することが可能です。

サービス利用計画は就労移行での訓練内容や、利用する目的を記載した書類になります。市区町村が指定する指定特定相談支援事業所での作成や自分自身でも作成(セルフプラン)することができます。これから利用する就労移行支援事業所の支援員にサポートしてもらい作成することも可能です。

市区町村がサービス支給の認定を行うかどうか審査し、申請が通れば「受給者証」が郵送されてきます。受給者証をもって利用する就労移行支援事業所に行き、正式な利用契約を結ぶことができます。

実習ができる!

【職歴がなくても、実習で評価を受ければ企業から内定をもらえる可能性がある】

就労移行支援事業所を通して、企業へ職場体験実習を行うことができます。職歴がなくても、実習を通して良い評価をもらうことができれば、内定につながる可能性があります。興味のある企業があれば支援員に相談し、実習ができるかどうか相談してみましょう。

実際に働いてみながら「この仕事なら自分に合っている気がする」「この仕事をやってみたい」など、自分の中の新たな一面を発見できるかもしれません。また実習を行ってみて、仕事内容は自分の得意なことであれば、企業へのアピールにもなります。

実習にむけて、興味のある職種のトレーニングをしよう

就労移行支援授業所の支援員のサポートのもと、興味のある職種のトレーニングをしましょう。事業所によってカリキュラムはさまざまです。

基本的には社会人として必要なビジネスマナーや働くために必要な生活習慣、WordやExcelなどのパソコンスキルを学ぶことができます。また、在宅就労に向けてのトレーニング、photoshopやWebライティング、HTMLやCSSなどHP制作に必要なスキルを身に着けることのできる事業所もあります。

いくつかの事業所を見学してみて、自分の興味のあることが学べる事業所を利用しましょう。

実習では、面接では理解してもらえなかった、仕事の責任感や、人柄をみてもらえる

いきなりの面接は緊張してしまい、うまく自分をアピールすることができないこともあります。実習では、企業の方と一緒に過ごす時間が多くなる分、自然体で過ごせる環境なのか知ることができます。

また、面接時間では理解してもらえなかった、仕事に対して責任感があることや、人柄をみてもらえます。実習をすることでお互いのことをより理解しあうことができ、障害に対する考慮をしてもらえるかなども確認しやすくなります。

職歴にブランクがある人も「働く」ことを体験できる

職歴がなかったり、前職を辞めてからのブランクが大きい人は「働く」ことが怖いということもありますよね。

学生時代に人間関係などがうまくいかなかったり、前職でのトラブルがトラウマとなっていたり。「働きたいけど、働けない。」そんな就労に対し抵抗がある人も実習を通して、「働く」ことを体験することができます。

就職の意思があっても、実際に就職しているわけではないので、気を張りすぎることなく仕事をしてみることが可能です。実際に働いてみることで「この仕事ならできるかも」という「できる」感覚が身に付き、自信につながることもあります。

自分に合う環境かどうか、知る上でも実習は大事

「採用されたから働いてみたけど、思っていたのと違った」となり、就職が決まったにも関わらず働くのが辛くなったり、すぐに辞めてしまったりしたらもったいないですよね。

実際に企業で働いてみることで、どんな環境でどんな仕事をするのか体感することができ、採用されたあとのミスマッチを防ぐことができます。自分の希望する企業で長く働くためにも、あらかじめ実習を行い、どんな環境なのか知っておくことは非常に大切です。

【体験談】就労移行支援を利用して就職しました

【発達障害グレーゾーンの元ニートでも、就職できた】

この記事を書いている筆者も、実は発達障害グレーゾーンの元ニートでした。就労移行支援を利用する前は障害者雇用でアルバイトをしていましたが、どれも長続きせず…。障害者雇用や就労移行支援を知る前は2年間ほどニートでした。

学校や職場でのコミュニケーションが苦手で、発達障害を疑い、専門の病院を受診。検査も受けましたが、発達障害とは診断されず。まさに発達障害グレーソーンといったところでしょうか。

コミュニケーションが苦手なので在宅ワークを希望し、興味があったWeb系のスキルを身に着けるべく就労移行支援を利用することに決めました、支援員の方に就職活動をサポートしてもらい、希望していたWeb系(ライティング等)の仕事ができる企業に就職することができました。

・就労移行を利用してから就職するまでにしたこと
就労移行を利用してから、就職が決まるまでにしたことは主に次の4つです。
・興味のある分野のスキルを学ぶ(Web系)
・自分の希望する企業(在宅ワークができるところ)の求人を探す、紹介してもらう
・実習で実際に仕事をしてみる
・支援員の方にサポートしてもらいながら就職活動

特に実習では「こんな職種もあるんだ」「この仕事内容ならできる!やってみたい!」と働くことに関する新たな一面を発見することができ、就職への意欲につながりました。

また、支援員の方のサポートは手厚く、スキルに関すること以外でも「どんな就職先が自分には合っているか」「働く際に感じる不安や悩み」「体調や障害のこと」などの相談を通し、精神面もサポートしてくれました。

一人だったら健常者ですら憂鬱になりがちの就職活動を前に、挫折していたかもしれません。そういったことも含め、就労移行支援を利用してよかったと思っています。

就労移行支援を有効活用しよう!

発達障害グレーゾーンのニートでも就職することは可能です。

ただ「職歴がない」「就職活動の仕方がわからない」「面接が通らない」など自力で就職することはハードルが高いように感じます。生活リズムが崩れてしまって、いきなりの就職が難しい場合もあります。

就労移行支援は発達障害でなくても医師の診断書等があれば利用することが可能です。自分の興味のあることを学びながら、生活リズムを整え、支援員にサポートしてもらいながら就職活動を行うことができます。

企業への実習を行えることや、就職後も定着支援をしてもらえるのは大きな強みです。「いきなり就職するのは不安」「就職の為に興味がある分野のスキルを身に着けたい」「実習を通して自分に合う環境で働きたい」などといった人は、是非就労移行支援を有効活用し、就職への第一歩を踏み出しましょう!

【筆者紹介】
Salad編集部員。精神障害者。人前での過度な緊張や不安や鬱などの症状あり。以前障害者雇用で接客(セラピスト)の仕事をしていた経験を持つ。