「発達障害」を意識して、恋愛に不安を感じてしまう
発達障害を持つ方が社会生活をするサポートは進んでいる
障害者総合支援法や障害者雇用促進法などの改正が進み、発達障害という言葉が世間に浸透されてきています。これにより、発達障害を持つ方が社会生活を送るためのサポートも進んでいます。
しかし、私生活での問題は残っている
しかし、私生活に関してはどうでしょうか。
発達障害を持つ方は自身で「自分はコミュニケーションが苦手だから・・・」とコンプレックスに感じていることが多いです。その影響で、他者と話すときにぎこちなくなってしまう方がいます。恋愛になると自分を自然に出すことができないまま、相手から関係を切られてしまう方もいるのではないでしょうか。
今回は発達障害を持つ方が、「恋人または意中の人に振られてしまった辛い体験をしたときの気持ちの切り替え方」をご紹介します。
【発達障害】振られた後に陥りがちなケース
まず、発達障害を持つ方が振られた後に陥りやすいケースをご紹介します。この状態になると恋愛はおろか、人間関係に悪影響を及ぼします。
理由を追及しすぎてしまう
【「なんで!?どうして振るの?自分何も悪いことしていないのに!!」】
あなたを振った相手にこのような言葉を直接投げかけたり、頭の中で意識して相手に理由を聞いたりしていませんか?
または自分自身に疑問をぶつけすぎていませんか?
真剣に思ってきたのに振られるというのは、つらいことです。しかし「どうして?どうして?」と明確な理由を追求して納得しようとしてしまうのは、どんな場合にしてもあなたのエゴになってしまいます。
全ての異性が同じだと決めつけてしまう
【所詮、自分を好きになる人なんていない!】
発達障害を持つ方の考え方のくせの一つに、「一般化のし過ぎ」があります。あなたは大切に思ってきた人に対して「全力で」向き合ってきたことでしょう。それで振られた(=結果が出なかった)のだから、「全力で挑んでもだめなら、世の中に自分を好きになる異性はいない」という結論に至りがちです。
恋愛がダメなら、他のこともうまくいかないと決めつけてしまう
【人に認めてもらえない自分だから、何をやってもうまくいくわけがない】
上のような言葉を自分にぶつけていませんか?「恋愛も人間。社会生活も人間。だから人に認められないのであれば仕事もうまくいくわけがない」など、恋愛以外のことまで考えが及ぶケースがあります。真剣に自分の気持ちと向き合ってきた方ほど、陥りやすいケースです。
失恋後、恋愛そのものに依存してしまう
【誰にも認められない自分なんて嫌だ・・・誰でもいいから必要とされたい】
自己否定が強い方に多く見られます。この場合そもそもが、自己否定を他者に認められることで恋愛をしようとすることが多いからです。
振られてしまうと、「自分を認めてくれるかもしれない対象」を探してしまい、新しい恋愛を求める「依存症」になってしまいます。こうなると相手を選ばない(もしくは選ぶ範囲が広すぎる)ので、その後もあなたと合わない、あなたを傷つける人に出会う可能性が高くなってしまいます。
発達障害を責めてしまう
【振られるのは全部発達障害のせいだ!】
先ほども少し触れましたが、振られたことに納得した理由があるケースの方が少ないのではないでしょうか。自分でも理由が分からず、心の落としどころがつかめないと不安になります。そうなると最後の落としどころが「発達障害のせい」になりがちです。
障害のせいにすれば、他者は傷つきません。しかし、あなたの心は確実に傷ついているのです。
このような心理状態を防ぎ、上手に気持ちを切り替えるにはどのような心掛けが必要なのでしょうか。
恋人・意中の人に振られた時の気持ちの上手な切り替え方
人の感覚に理屈は通用しない。振られた理由を追求しない。
「明確な答えが出せなくなって、不安になったから」振ったこともあるかもしれません。残念ながら、正しければうまくいくとは限らないのが恋愛です。正しくない流れでもうまくいくことがあるのが恋愛です。
もやもやとした状態に耐えられないかもしれませんが、
振られた経験に適応しすぎない
そもそも、頑張ればうまくいくとは限らないのが恋愛です。正解も答えもありません。
発達障害を持つ方にとって明確な答え・画一された答えがないことは、とてもつらいことかもしれません。しかし今回振られたことを「失敗」と捉えるのは危険です。「異性に否定された」のではなく、今回の相手に振られただけです。
ですから、今回の失敗から「次は『障害』を言わないようにしよう」「次は話しかけるのを多めにしよう」など、振られた経験に適応しようとしすぎないようにしましょう。
あなたが経験のたびに自身を変えすぎてしまうと、余計に他者と噛み合う可能性が下がります。今の「振られたままの」あなたと相性が合う方を探すのが大切です。
振られたことイコール否定ではない
全力で挑んだことで満足な結果が出なかった場合、絶望感に襲われます。
しかし、本当に意味で相手から「×」がついて直さないといけないのは、学校のテストくらいです。仕事でも、相手の要望に応えるだけではうまくいきません。これが個人の価値観に委ねられる恋愛であればなおさらです。
相手はあなたから「『あなた』という提案を受けたけれど、自分には合わなかった」それだけなのです。相手は自分に来たあなたの気持ちを受け取れないだけで、その先「あなたの人格否定」には至っていないのです。
意地になって恋愛を求めすぎない
恋愛がすべてではない・・・と言っても理解が難しいはずです。しかし厳しい話になりますが、恋愛に支配されている人に魅力を感じる人は少ないです。理由は「相手にいかに受け入れてもらうか」のみを目的として行動をすることが多いからです。ですから恋愛を求めすぎてしまうと、あなたの魅力が失ってしまうのです。
もし自分で「恋愛依存症になっている」かどうか判断できない場合は「相手といた方が、自分一人でいるよりも気が楽かどうか」で判断してみてください。
発達障害を恨まない
最後に、あなたの持つ「発達障害」を恨まないでください。確実に言えるのはもし本当に「発達障害だから振る」ような異性であれば、一生を共にしても果たして楽しいでしょうか。
もし振られた理由に「発達障害」を持ち出す場合は、相手もあなたも「あなたの本質」に向き合えていないのかも知れません。
ですから今後相手と向き合うときは、意識の中で「発達障害」よりも「あなた」を前面に出すように心がけましょう。それが障害を個性に変える第一歩です。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
場合によっては、厳しい言葉になってしまったかもしれません。しかし、発達障害でももっと堂々と人と向き合ってよいのではないのでしょうか。自分から差別をされる姿勢を作っていたら、その通りになってしまいます。ですから何があっても、あなたのままでいてください。
【筆者紹介】
Salad編集部員、30代男性。既婚。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。経済的事情や過去の体験から、結婚に至るまで苦労を重ねた。体験談はこちら。