※この記事は2022年6月の情報に基づいて執筆されています。
基本情報技術者という国家資格
基本情報技術者試験とは?
基本情報技術者試験は高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者を対象とする国家資格です。
情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験を実施するIPA 独立行政法人 情報処理推進機構将来のWebサイトでは、ITエンジニアを目指してより高度な資格を受験しようとする人がまず受験するよう推奨されています。
最終的にこの試験自体の合格を目標とするというよりも、今後ステップアップしてより上級の資格を取りたい人が基礎知識を身につけるために受験する資格と考えたほうがよいでしょう。
関連記事:『基本情報技術者試験』とは。エンジニアの就職にも活かせる!(※この記事は2020年3月の記事です。)
参考:国家資格について – 厚生労働省(PDF)
参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:情報処理技術者試験:試験の活用事例
ITパスポート
ITパスポート試験は基本情報技術者と同じ情報処理技術者試験の一区分で、難易度は基本情報技術者より低く、IT・コンプライアンスに関する知識を身に着けるために企業の研修や直接IT系に関わる以外の業種の人(事務職・営業など)にも推奨されています。
関連記事:ITパスポートとは。試験内容や基本情報技術者試験との違いを紹介
こちらも最終的にこの試験自体の合格を目標とするというより、新卒採用・未経験者採用のアピールに利用するために受験したり、今後ステップアップしてより上級の資格を取りたい人向けといえます。
一般的に、IT系の専門の職業で採用の決め手として利用できるほど高難易度・資格取得が困難な資格ではありません。
試験は「年に●回」というようなスケジュールではなく、コンピュータを利用して実施するCBT(Computer Based Testing)方式で随時受験可能です。
体験談 – ASD当事者が受験で困ったことと合格のためにしたこと
ASD当事者の基本情報技術者試験受験体験談 – 苦手でない分野は得点源にできた
この記事を書いている私はASD当事者で、Webデザイン関連の職種で働いているときに、IT系の仕事を続けていくうえでキャリアアップにつなげたいという目的で基本情報技術者試験(以下FE)を受験し、合格しました。
受験当時、Webデザインとコーディング(HTML,CSS)の仕事をしていたためにIT(Web)に関する基本的な知識はあったのと、専門用語について記憶することは苦手でなかったために、過去問題のついたテキストで試験勉強をすることで暗記の分野はスムーズに学習を進めることができました。
受験勉強に利用したテキスト・問題集は最近の過去問題が載っていて、問題の回答と解説が詳しいものを、大型書店で見て選んで購入しました。
購入前にネット上のテキスト・問題集のレビューも調べて参考にしました。
苦手でない分野での失点をおさえることで、合格につなげることができたと思います。
参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:過去問題
参考:基本情報技術者に関連する商品一覧 – honto本の通販ストア
数学が苦手で、計算する問題の点数がとれず困った
私個人の経験ですが、暗記(選択問題)、用語を回答する問題は特に問題なく学習して身に着けられると感じた一方で、計算の必要な文章題を解くのが難しい状況でした。
発達障害の診断の際に受けた知能検査のWAISでは下位検査、作動記憶(WM)の計算が極端に低いため、もともと計算のある問題全般で得点することが困難だったからです。
対策でやったこと
私の場合はっきりと「計算のある問題が苦手という」自分の課題がわかっていたので、苦手な分野の問題での失点をできるだけ少なくし、苦手でない分野でできるだけ点数をとることを目標に設定しました。
そのためにやったことは
①暗記(選択)の分野の問題を繰り返し解く
繰り返し問題を解いて苦手でない分野の問題で確実に点数を取れるようにしました。
記入や確認不足のミスによる失点も減らすため、問題を解いた後も意識して念入りに確認するようにしました。
私は問題を繰り返し解く際、採点とチェックが楽になるため、基本情報技術者試験の問題が解けるゲームソフトを利用していました。
現在はスマートフォン用のアプリもあると思うので、選択問題を覚えるのに活用してみてはいかがでしょうか?
参考:【2022年】 おすすめの基本情報技術者試験の勉強アプリはこれ!アプリランキングTOP5 | iPhone/Androidアプリ – Appliv
②計算のある文章題の過去問の解き方を理解する
回答に添えられた解説が詳しくてわかりやすい問題集を使い、文章題の解き方・その解き方の理由を理解するように努めました。
解く経過の計算も紙に書いてどこでどのようなミスがあったのかわかるようにしておいて、正しい回答が出せるまで問題に取り組みました。
これが独学でできない場合は【1】合格のための知識が十分でないか、【2】独学では合格するための知識を身に着けるのが難しい可能性もあります。
原因が【1】と思われるときは受験する時期を検討しなおすか、受験する資格を再検討する(ITパスポートの受験も考える)のも良いかもしれません。
原因が【2】だと思うときは、資格試験対策の講座を受講することもできます。
自宅でオンライン講座(通信教育)を受講する場合と、資格試験のための各種学校や講座に通って受講する場合があります。
厚生労働省による職業訓練(ハロートレーニング)でも、資格取得のための知識が得られる講座があるようですので、住んでいる地域の職業訓練を調べてみるのもよいでしょう。
参考:基本情報技術者 学校 – Google 検索
参考:就職につながる 「IT分野の職業訓練(求職者支援訓練)」を受講しませんか|厚生労働省(PDF)
参考:こんな人にオススメ|ハロトレ特設サイト|厚生労働省
資格取得後
メリット – 資格をとってよかったこと
Webデザイン関連の職種の私にとって、基本情報技術者の資格をとってよかったことは、IT系の分野の技術に関する基礎知識を得ることができた点です。
受験のための勉強でプログラミングなどの実務経験が無くても、基礎知識や原理などの基礎の知識を浅く広く網羅的に身に着けることができました。
IT系の用語の意味なども、何となくではなく体系的な理解で覚えることができたので、勉強で得た知識はその後の仕事でも役立っていると言えます。
反省点 – 基本情報技術者試験の具体的なメリットは……?
私の職種が資格取得後も引き続きWebデザインが中心だったため、転職やキャリアアップのときに基本情報技術者の資格があったからできた・よかったことは特にないとも言えます。
資格取得後、転職なども経た感想としてやはり基本情報技術者の資格は最終的な目標とするというよりも、今後より上級の資格を取りたい人が基礎知識を身につけるために受験する資格だったという印象です。
その後さらに上級の資格も取得していないので、取らなくてもよかったという見方もできると感じています。
関連記事:就職に資格は必要?スキルが仕事で無駄になる・活かせるケースを紹介
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まとめ
取得には時間や労力がかかるので希望の資格をしっかり選ぼう
資格の取得のためには時間でいえば勉強などの準備期間を含めて数か月~数年程度、費用でいえば受験料や勉強するためのテキスト代などで数千円~数万円はかかります。
さらに合格できなければ、かかる時間や費用が増えていきます。
また、仕事や生活との兼ね合いを考えれば無限に挑戦できるわけではありません。
仕事や就職活動をしながら時間や費用をかけて資格を取得するなら、今の業種・職種に関係の深いものや、今後にやりたい仕事に役立ちそうなものを選ぶとメリットが大きくなるでしょう。
社内で資格取得を応援する制度(受験料の補助)や資格取得者への優遇制度などがあれば、それを参考に決めてもよいでしょう。
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