【筆者紹介】
Salad編集部員。ASD(自閉症スペクトラム障害)。30代。障害者雇用での就労12年目、テレワーク2年目。ずっとデスクワーク(座り仕事)の職種。
原因不明の足の痛みが治療で落ち着くまで
診断に約1か月、治療で痛みが落ち着くまで2か月かかった
筆者は2021年4月初めに原因不明の片足の痛みを感じはじめ、4月上旬から次第に痛みが強くなり、微熱が出はじめました。
病院で検査を受けて結果を知ることができるまで約1か月(4月末)、治療ができるまでさらに2週間(5月中旬)、治療を開始してから痛みが落ち着き、ほぼ普段通りの生活ができるようになるまでさらに2週間(5月末まで)かかりました。
今回の記事では、原因がわからず痛みに耐える期間が1か月半も続いた理由と、椎間板ヘルニアの治療についてご紹介します。
参考:腰痛症|痛みの疾患ナビ|痛みの情報サイト – 疼痛.jp
参考:坐骨神経痛|痛みの疾患ナビ|痛みの情報サイト – 疼痛.jp
診断・治療が遅くなった理由
別の病気を疑った
最初に受診したのは整形外科医院でした。
ヘルニア=腰痛と思い込んでおり、自分の症状がヘルニアと関係があるとは思っていませんでした。
さらに以前にかかった関節炎に似た症状が出ている(足の痛み、発熱)と思い、そう説明したのですが、内科など他院の受診を勧められ、痛み止めを処方する以外の治療をしてくれませんでした。
その状態で3週間ほど生活しましたが、熱も下がらず痛みも改善しませんでした。
こちらから強く依頼して総合病院への紹介状を書いてもらい、診断・治療につながる検査を受けることができました。
診断・治療を受けるのが通常時より困難だった
時間がかかった理由のうちの一つは発熱があったため、病棟・診療所への立ち入りを許可されなかったためです。
当時(2021年4~5月)筆者の在住地域の近隣のほとんどの総合病院で下記のような感染症対策が実施されていました。
-
- ・発熱・せき・のどの痛みなどの症状がある人は専門の発熱のある人向けの外来で新型コロナウイルス感染症を診断する検査を受けなければならない。
- ・1週間以内に発熱の症状があった人は病棟に立ち入り出来ない
そのため、新型コロナウイルス感染症を診断する検査を受けて問題のない結果が出た後もしばらく経過しないと病棟に立ち入ることができませんでした。
この時の発熱ですが、結局原因がわからないまま症状がおさまりました(炎症にともない、熱が出ることもあるそうです)。
新型コロナウイルス感染症を診断する検査(PCR検査)
総合病院で専門科(整形外科など)を受診する前に、発熱・せき・のどの痛みなどの症状がある人向けの発熱・かぜ外来で、医師の問診とPCR検査を受けました。
下記の手順で検査を行いました。
・問診表の記入を行い、(1)現在の発熱やのどの痛み・味覚障害などの症状の有無、(2)新型コロナウィルス感染症患者との接触歴や海外への渡航歴、(3)治療中の病気やアレルギーなどの有無などを報告しました。
・ガラスで隔てられた部屋でスピーカーを通して医師の問診を受け、手を出す穴を開けたアクリル板越しにPCR検査を受けました。
・結果は1日後に電話で確認できました。希望すれば検査結果報告書を発行・郵送してもらえました。
検査結果報告書
参考:新型コロナウイルス対策を踏まえた適切な医療機関の受診(上手な医療のかかり方)について|厚生労働省
参考:新型コロナウイルス感染症対策について | 医療法人 武蔵野総合病院
検査について
総合病院で行った検査
総合病院では整形外科に予約を取っていたのですが、脳神経外科に行くよう指示され、改めて脳神経外科の窓口で受付し待機しました。
神経痛の可能性があったためです。
初診では問診のあとレントゲンを撮影し、MRI撮影の予約を取り終了しました。
後日MRI撮影して、翌週にレントゲンとMRIの結果の説明があり、椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛があるので、手術を希望しないなら受診していた整形外科で治療を受けるよう言われました。
その後、受診していた整形外科の院内で治療を受けられるまで、熱が下がってから2週間待たなければなりませんでした(消炎鎮痛薬は処方してもらえました。)。
新型コロナウイルス感染症予防のため、発熱の症状があった人が院内に立ち入りできなかったためです。
MRI検査について
MRIは強力な磁石と電波を利用して人体の断層画像を撮影する装置です。
頭部(脳)や脊髄や腰椎椎間板の断面の画像を鮮明に描出することができます。
磁石を使い強い磁場で行われる検査のため、検査室に金属の持ち込みができません。
メイク(アイシャドウ・マスカラ・ネイルアートなど)やカラーコンタクトレンズなどにも金属が含まれる場合があるのでオフしておきましょう。
また、狭い筒状の装置に約20分~1時間程度入ったままになり体を固定して動かすことができず、その間装置からかなり大きな音がするので、狭い場所が苦手な人や小児には薬を処方するなどの配慮がなされる場合があります。
筆者はMRI検査の経験が3度ありますが、耳栓や耳の周りに詰め物などの配慮をしていただいたうえで、それでも「えっ、こんなにうるさかったかな?」と思う程度に大きな音がします。
個人の感想としては、痛みや熱など他のつらい症状に気をとられているときなら、音はあまり気にならずにやり過ごせると思います。
今回の腰椎のMRI撮影で要した時間は約20分程度でした。
MRI検査前の同意書
参考:MRIとは | キヤノンメディカルシステムズ
参考:代表的な検査について「MRI検査」 大阪大学医学部附属病院放射線部
治療について
外科的療法より保存治療を勧める場合が増えている
以前はヘルニアは元に戻らないと考えられていたためにすぐに手術が行われることが多かったのですが、現在は尿失禁などの膀胱直腸障害が起こる可能性が高い場合など、緊急性の高い場合以外は手術を急ぐことは少なくなりました。
手術しない場合の治療
手術しない場合の治療として、筆者の通っていた病院では下記の治療が提案されました。
- (1)安静
- (2)消炎鎮痛薬の内服
- (3)神経痛を和らげる薬の服用
- (4)外用薬(湿布型の消炎鎮痛薬)
- (5)ブロック注射
- (6)鍼治療
(1)~(3)は必ず行うように言われましたが、(4)~(6)は希望すれば行える治療(強制はしない)でした。
筆者は「手術は避けたい」「痛みを早く減らしたい(早く通常通りの生活ができるようにしたい)」という希望があったのでできることは全て試してみることにしました。
参考:「腰椎椎間板ヘルニア」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる
参考:腰椎椎間板ヘルニアの病態,診断,治療方針|山梨大学大学院医学工学総合研究部整形外科 波呂 浩孝(PDF形式)
それぞれの治療のメリット・デメリット
それぞれの治療を実際に行ってみて感じたメリット・デメリットをご紹介します。
(2)消炎鎮痛薬の内服
消炎鎮痛薬と胃の荒れを防止するための胃腸薬を処方されました。
服用の目的は炎症を抑えるためなので、痛みに関わりなく服用を続けるよう指示されました。
デメリット…服用を長期間続けると胃痛を感じるようになりました。
→診察時に医師に申し出たら、胃への負担の少ない薬に変えてもらえました。
(3)神経痛を和らげる薬の服用
デメリット…服用の初期に強いふらつき・眠気の副作用が出ました。
→医師の指示のもと、服用を続けることで副作用が少なくなりました。
(5)ブロック注射
神経ブロック療法とは、神経や神経の周辺に局所麻酔薬(場合によっては加えてステロイド剤)を注射して痛みや炎症を軽減する方法です。
一時的な痛み止めだけでなく、炎症の改善や患部の血流の改善などさまざまな作用があるため、持続した効果も期待できます。
一回で終了するのではなく、複数回実施するのが一般的です。
メリット…炎症を抑える強い効果があるため、可能なら受けることを勧められました。
デメリット…(場所や個人により差がありますが)注射の際の痛みがあります。
注射が苦手な方はつらいかもしれません。
(6)鍼治療
メリット…地域の伝統的な治療法を体験できて好奇心が満たされました。
強すぎない程度の刺激があり、心地よい疲労感が残ります(個人の感想です)。
デメリット…針を刺すのが怖い人には向いていないかと思います。
さらに刺した針に電極をとりつけて電流を流すので、不安が強い人にもあまりお勧めしません。
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まとめ
病気になっても通常通りの生活を送りたい
今回は気軽に受診ができない状況下で総合病院の専門科にかかる必要ができてしまい戸惑いました。
治療の内容や受診の状況は人によって異なると思いますが、参考になれば幸いです。
急な病気やケガに見舞われた際にもなるべく生活に支障を来さずに済むように、自力で行ける距離の内科と整形外科は確認しておくとよいでしょう。
緊急性の高い場合はためらわずに#119に電話しましょう(判断に迷う場合は#7119(救急安心センター事業))。
【注意】※この記事の内容は2021年4~5月頃の状況に基づいて執筆されました。
参考:よくある質問 | ひかり整形外科クリニック
参考:救急安心センター事業(♯7119)をもっと詳しく! | 救急車の適正利用 | 総務省消防庁