Xジェンダーとは
Xジェンダーとは何か?
Xジェンダーとは、身体の局所的な部分や特徴もしくは社会的な性役割に対して性別違和や嫌悪感を持っているが、生まれたときに割り当てられた性別と反対の性になりたいとまでは強く望まない人々のことを指します。
Xジェンダーとは日本独自の呼称であり疾患名ではありません。
したがって詐病(にせもの、「自称」Xジェンダーなど)の概念は存在しません。
自分がXジェンダーかどうか判断する簡易な基準としては、下記の両方に当てはまると本人が感じれば、Xジェンダーの可能性は否定できません。
・生まれたときに割り当てられた性別とは異なる性自認を持つ
・ただし、明確な反対の性の自覚があったり、決めかねて迷っている場合でもない
Xジェンダーについての誤解
Xジェンダーは生まれたときに割り当てられた性別と反対の性として扱ってほしい(男性として生まれた場合は女性として、女性として生まれた場合は男性として)、反対の性の服装をして、反対の性として生きようとすると誤解される場合もありますが、実際は異なります。
そのため服装など見た目ではXジェンダーと気づかないケースもよくあります。
また、Xジェンダーとは自分の性別を男女どちらかに決めたくない(他人から決められたくない)人たちであると思われることもありますが、「(本当は自分ではわかっているけど)決めたくない」という個人の意思にもとづいた考えではありません。
参考:Xジェンダーとは|label X(ラベル・エックス)/MtXとFtX・Xジェンダー・GD(ジェンダー・ディスフォリア)・性別違和など
Xジェンダーの治療
Xジェンダーは病院に行ったほうが良いの?
日常生活を送る上で問題を感じることがなく、本人が困っていなければ受診の必要はありません。
Xジェンダーで病院に行く必要がある場合とは?
「改名を望む場合」や「身体的治療を望む場合」に医師に「性別違和」の診断書を望む場合があります。
身体の治療を望まない当事者が多いXジェンダーですが、改名を望むケースは多く、性別違和を理由に裁判所へ改名を申し立てる場合には医師の診断書が必要になります。
参考:性別違和 性別不合 | はりまメンタルクリニック
参考文献:Xジェンダーって何?─日本における多様な性のあり方|Label X
就職活動・仕事において抱えやすい悩み
就職活動での悩み
Xジェンダーで就職活動をする場合、履歴書などの書類の性別欄に困り、記入できない場合があります。
無理に男女どちらかを選んだとしても、その性別としてふるまうことが負担になってしまい、就職活動自体に集中することができません。
仕事上の悩み
Xジェンダーで、スーツを着て働くことが困難な場合があります。
スーツは女性用・男性用に分かれており、着用することで性別を意識せざるを得ません。
そのため最初からスーツ着用でない職種にしか応募できず、職種が限定されてしまうこともあります。
参考:エントリーシートの性別欄には、男か女かしかない。「隠さずに就職したい」LGBTが直面する困難と見えてきた希望|BuzzFeed news
就職活動や仕事を進めていくために行うこと
自分の特性・サポートしてもらいたいことを明確にする
「職場の理解が得られない」と悩んでいる場合、伝え方やコミュニケーションが十分でない可能性もあります。
自分の特性・特徴や必要な配慮について聞かれた際に、具体的に説明ができなければ上司や人事担当者に不安を抱かせてしまいます。
必要な配慮についてあらかじめ自分でまとめておくと必要な情報を伝えやすくなります。
またXジェンダーにも生まれた性の外見を残している人、ホルモン治療等で自認する性の外見に近づいている人、更に適合手術を受けて戸籍も性別変更した人など様々な人がいます。そのため職場での対応も個々の置かれた状況や職場の環境によっても異なってきます。
就職時や就労時に直面することが多い問題としては書類の性別欄の記載や、自認する性の服装や髪型での勤務、健康診断の受診、トイレ・更衣室の使用、ホルモン治療や性別適合手術のための休暇等があげられます。
応募する業種を見直してみる
「この職場はスーツ着用だから難しい」「職場で変な目で見られると思うと不安」など、仕事自体以外の問題でお悩みの方には、カスタマイズ就業という働き方もあります。
『カスタマイズ就業』とは、『従業員と雇用主の雇用関係を双方の課題解決のための需要を満たしかつ、お互いを活かしあえる方法で個別設計すること』です。
カスタマイズ就業を達成するには、まず自身の『できること』『したいこと』を明確にし、それを求めている企業に提案することから始まります。すなわち自己理解をし企業に伝えていくことで、「好き」や「得意」を仕事に活かせるチャンスがあるということです。勤務形態も通勤とテレワークを組み合わせた勤務や短時間の勤務など、可能な形での就労を互いに相談して決めていきます。
苦手克服に労力を費やすのではなく、頑張った分だけ「プラス」を感じられる新しい働き方になります。
カスタマイズ就業について詳しくは下記の関連記事もご覧ください。
関連記事:【カスタマイズ就業とは(手段と効果)】
関連記事:【発達障害を持つ方の就職】あなたもできる「カスタマイズ就業」とは
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まとめ
日々自分らしく生活するためにも自分自身にとって、働くこと・自立をめざすことは重要なのではないかと思います。
もし今の働き方や就職に不安を感じているようでしたら、思い切って働く環境を変えてみるのもよいかもしれません。
その際にはカスタマイズ就業やテレワークなども選択肢に入れて考えていただければと思います。
Salad編集部は性別違和の悩みにより就労に困難を抱えている就職・職場定着を目指す方を応援します。相談先に悩んだらこちらのメールフォームからお気軽にご連絡ください。お待ちしています。