発達障害の職場定着に、精神力を求められることがある
長く働くために、心の強さを求められやすい
発達障害は、不安やストレスを感じやすいことがあります。特に仕事をしていくなかで感じてしまう機会も増えるかもしれません。
長く働くために、「心を強くしたい」と考えていることもあるのでしょうか。
ストレスで体調を崩すのは、「心が弱い」から?
発達障害は特性や周囲とのすれ違いなどのストレスから、うつ病などの二次障害を生じてしまうことがあります。
精神的な理由で体調を崩すと、周囲から「メンタルが弱い」「心が弱い」と言われてしまうこともあるでしょう。
そもそも、体調を崩すのは「心が弱い」からなのでしょうか?
打たれ強さだけでは、精神状態を保ちにくい
職場定着のために、心の打たれ強さだけを身に付けようとしていませんか?
打たれ強さだけを身に付けていると、それだけストレスに直面する機会を増やしてしまうリスクが高くなります。
これは「強いから大丈夫だろう」という過信につながりやすいからです。
そこで今回紹介したいのが『レジリエンス』になります。
レジリエンスとはなに?
レジリエンスとは
レジリエンス(Resilience)とは、直訳すると「弾力」「回復力」「復元力」という意味を持つ言葉です。「ストレス」とともに物理学の分野で使用されていました。
近年では「様々な環境・状況に対しても適応し生き延びる力」として利用され始めているのです。
「心を回復・復元する力」も必要
心が弱いと言われたくないために、つい精神を鍛えたり、辛いのに無理を強いてしまうことはありませんか?長く健康状態を保つために心の強さより大切なのは「ストレスを受けても元に戻せること」の方が重要なのではないでしょうか。
レジリエンスを高める効果
集中力や活力が高まる
レジリエンスが高いと、精神的に「エネルギー満タン」の状態を維持しやすいことにつながります。
常に精神が充実していることで、集中力や活力の向上につながるのです。
問題や困難に対して広い視野を持ちやすくなる
発達障害を持っていると、疲労やストレスが溜まることで思考が狭くなりやすい傾向があります。
精神的にゆとりを持てないことで、「安全策」として極端な思考になりやすいためです。
レジリエンスを高めて心を癒す習慣があれば、このような思考を予防し、柔軟に物事を考えるゆとりを保ちやすくなります。
ストレスを溜め込まず、対処しやすくなる
レジリエンスが高いことで、「ストレスを溜め込んでしまう」事態が少なくなります。そのため、現在受けたストレスのみを意識しやすくなるのです。
これにより今受けたストレスのみに注意を向ければ解消する、という状態をキープしやすくなります。
リスクを特定し、対応力アップにつながる
レジリデンスを高めると、「不要なストレスを受けない・感じない」ために行動できることにつながります。
ストレスになりそうなことに敢えて正面衝突するのではなく、受けても回復できるようにリスク対処を意識できるようになるかもしれないのです。
レジリエンスを高めるために覚えておきたい用語
ストレッサー
ストレッサーとは、ストレスとなる要因のことです。苦手な上司やうまくできない業務など様々なものがあるでしょう。
ストレスはこのようなネガティブなことのみではありません。「宝くじが当たった」などの予期しない幸運があったなどのポジティブな物事も対象になります。
また、同じ物事でも人によりストレスに感じるか・感じないかが変わってくるのです。
そのため、自分のストレッサーを知っておくとストレス対処がスムーズになります。
文脈依存
文脈依存とは、感情が文脈(感情を引き起こしたきっかけ)に対する解釈や評価とつながっているという意味です。
文脈と感情を特定する機能が噛み合うと、人はストレスを感じます。
ストレスにつながりやすい感情やそのきっかけはどのようなものか。原因となりやすい感情に意識を向ける必要が出てくるでしょう。
レジリエンスが高まるポイントは?
レジリエンスは、誰もが持つものである
まずレジリエンスは、誰もが持つものだということです。さらに「レジリエンスが低いことは、能力が低いことに直結しない」ことです。そのためストレスによって疲れやすいなどから、「自分ってレジリエンスが低いのか…」と落ち込むことはありません。
レジリエンスを高めるために必要な能力は、
・ものの考え方や特徴
・感情や行動に対する認識や理解
・感じ方、振る舞い方のコントロール
これらを身に付けることで高めていきます。
参考: 「レジリエンス」の意味とは?メリットや特徴、必要性、強い個人や組織の鍛え方もご紹介 | BizHint(ビズヒント)- 事業の課題にヒントを届けるビジネスメディア
レジリエンスを高める6つの要素
①自分のストレス傾向に気付くこと
自己の思考や感情、行動や生理的な反応を自覚し、意識を向けることです。
ストレスを感じやすい傾向を知る、ということにつながります。
②自分自身のコントロール
期待した結果が得られるよう、自分の思考や行動をコントロールしていくスキルです。
状況によっては判断や行動、状態を改める・変えられることも求められます。これに柔軟に対応できることでレジリエンス向上につながるのです。
③現実的楽観性
ただポジティブに考えることは異なります。現実的楽観性は自らポジティブな要素に気付くことができ、自分でコントロールできるものに集中することができる要素です。
④精神的柔軟性
ひとつの状況にとらわれることなく、多角的・広範囲に物事を考えられる要素です。
⑤関係性の力
強い信頼性を気付き維持する要素です。職場や家族、友人関係などのつながりが大切になってきます。
⑥キャラクターストレングス
最高の強みを活かして、自分のスキルを最大限に発揮できる要素です。
力を発揮しやすい状況にあることで、困難への対処や自分の価値観に合った生き方を作り出す要素になります。
カスタマイズ就業で、レジリエンス向上のきっかけを見付けよう
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
打たれ強さに自信があると、ストレスを溜めることにつながりやすいです。また、辛いのにストレスに立ち向かおうと無理をして二次障害を招いてしまうかもしれません。
大切なのは、ストレスを感じても「柔軟に対処すること」です。そのスキルのひとつがレジリエンスになります。
ストレスに困っていたら、レジリエンス向上にトライしてみませんか?