うつ病の原因には、怒りの感情を抑え過ぎることがある
感情を押さえてしまうストレスが、発症の原因になりやすい
うつ病は、意欲の低下や不眠などを伴う精神疾患です。世間では「真面目な人がなりやすすい」「責任感のある人がなりやすい」と言われています。
社会に出ると、喜怒哀楽を自由に出す機会が少なくなります。周囲の事情も考えて自分をコントロールするという機会も多くなるでしょう。しかし、それでも人間は感情を持つ生き物です。そのため、「怒り」の感情も表現や消化ができていないと、ストレスになってしまいます。
参考:精神症状(イライラする・怒りっぽい) | 豊中市 千里中央駅直結の心療内科 精神科 – 杉浦こころのクリニック
参考:うつ病|疾患の詳細|専門的な情報|メンタルヘルス|厚生労働省
怒りの感情を解消する習慣に、『アンガーマネジメント』がある
アンガーマネジメントとは
アンガーマネジメントとは、怒りの感情とうまく向き合い管理することで、行動として現れる前に感情を分散させる方法です。
怒りの感情自体を無理に抑えつけようとするのではなく、もちろん外に出して解放させるわけでもありません。アンガーマネジメントは自分の中でうまく怒りの感情を消化、分散させることで「行動を抑える」方法なのです。
怒りには個々に傾向がある
さらにアンガーマネジメントでは、怒りには人それぞれ傾向があると考えられています。「ルールを守らないことで怒りやすい」「はっきりと決断しないことで怒りやすい」「行動を制約されると怒りやすい」など、人それぞれ『怒りやすいポイント』が存在します。
この傾向を事前に把握することで、『怒りによるストレス』がたまる原因を知ることができるのです。自分が怒りやすい場面に遭遇した時に、後にお伝えするアンガーマネジメントの方法を実践することでストレスを消化させるのです。
こうしてストレスの処理方法を身につけておくことで、ストレスを軽減しうつ病の発症や再発の予防につながるのではないでしょうか。
怒りのタイプについては下記の参照リンクからチェックテストを受けることができます。こちらの記事「アンガーマネジメントとは?怒りのタイプを知り問題解決スキル向上!」でもタイプについて簡単に解説していますので、あらかじめどんなタイプがあるのかをチェックしてからテストを試してみても良いでしょう。
【うつ予防】アンガーマネジメントのポイント
ステップ1:イライラしたら、6秒間待ってみる
人の怒る感情は、喜怒哀楽の中でも相当なエネルギーを要します。特に社会人になってからは、周囲との関係性も考えつつ怒りの感情と向き合うため、最も労力を使う感情と言えるのではないでしょうか。そのような強いエネルギーをため込んでしまうために、うつ病などの精神障害を招きやすいともいえるでしょう。
そのようなイライラの感情のため、アンガーマネジメントでは「カッ」と怒りを感じてから6秒間でピークは収まると考えられています。
上記の「怒りのタイプ」のテストにより、怒りやすい場面が予測できるようになってくるでしょう。あらかじめ怒る傾向を知っている場合はその場面で特に意識して、まだテストを受けていない方でも怒りを感じたら「6秒」待ってみてください。
そうして怒りのピークをやり過ごすコツを身につけて、ストレスをうまく緩和させるように心がけてみましょう。
【具体的な6秒のやりすごし方】
・その場を離れる
・深呼吸をしてみる
・紙などに感情を書き込む
・ノイズキャンセリングヘッドホンなどで、怒りの元となる情報を遮断する
ステップ2:自分の中の「~するべき」「絶対~」を見直してみる
アンガーマネジメントでは、怒りやすい原因は「自分の中で無意識のうちに定まっているルールに反する行為を受けた時」としています。これは自分の中の「~するべき」「絶対~だろう」「それは~で当たり前だろう」と感じていることと異なる行為を見た時ということです。
例えば、電車の中でお年寄りが優先席の前で立っているのに、席を譲ろうとしないことで怒りを感じたとしましょう。もちろん、座っている側に特に事情がなければ譲る方が良いです。しかし、これを第三者である人間が他者に「譲るべき」という怒りを持つことでストレスをためてしまうことで、よりストレスをためてしまうのです。
このように、自分の中のこだわりやルールを持つことで「怒りやすいもと」を多く持つことに繋がりやすいのです。
もし周囲へのイライラが多くて悩んでいたら、自分の先入観や価値観など『自分ルール』を見直してみましょう。また、参考として「アンコンシャスバイアスから発達障害の自分ルールや思い込みを改善!」の記事より、自分の先入観がどのようなものかをチェックしてみるとよいかもしれません。
また、自分の先入観をチェックするテストを下記の参考リンクに紹介します。興味がありましたら受けてみましょう。
参考: IATテスト ホームページ
ステップ3:自分でコントロールできることだけを意識する
怒りの中には、先ほどの電車の例のような「自分ではコントロールできないこと」により怒りを溜めてしまうケースがあります。むしろ、自分ではどうにもできないからこそ怒りがたまるかもしれません。
しかし上記の電車の例でいえば、仮に譲らない人に注意をしたとしても、解決する(席を譲る)には相手の意思がないと達成されません。もしかしたら、お年寄りの方が立ちたかった可能性もあるのです。このように自分から見えているものだけで怒りの感情を持ち、放出することがどれだけ無駄になりやすいかお分かりいただけましたでしょうか。
アンガーマネジメントでは、このような「自分でコントロールできないもの」に意識を向けず、自分でコントロールできることのみにエネルギーを注いでいこうと考えられています。
感情エネルギーの向け方を工夫することで、ストレスのたまり方も多く変わり、うつ病などのリスクも減少するのではないでしょうか。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
物事に真剣に取り組もうと感じていると、上のような「自分でコントロールできないこと」にまで責任を感じているかもしれません。また、そのような物事を見たときに何もしないことで罪悪感を持ってしまうかもしれません。
しかし上の電車の件のように、当事者でないと見えてこないことは想像以上に多いものです。ですから少なくとも「事実かどうかわからない出来事に怒りを感じる」必要はないのです。
始めは難しいかもしれません。しかしうつ病などの大きな原因となる『怒り』とうまく向き合い予防していくためにも、アンガーマネジメントに注目してみましょう。