ワーカホリックは、発達障害を持つ方にとって負担になりやすい
ワーカホリックとは
「ワーカホリック」とは、仕事において成果やパフォーマンスはクリアしているものの、その動機がネガティブなものである傾向をいいます。
『ワークエンゲージメント』という精神面の健康状態において、熱意や仕事への関心(没頭)が不足している状態で、「ワーカホリズム」とも呼ばれています。
『仕事を頑張っているけれど、楽しくはない』ということはありませんか?仕事に嫌々ながら出勤している場合、ワーカホリックの可能性があるかもしれません。
参考:ワーカーホリックになりやすい人に見られる特徴 | ライフハッカー[日本版]
参考:日本職業・災害医学会会誌第63巻第4号
発達障害を持つ方にとっては、心身への負担になりやすい
かつてワーカホリックは、残業やサービス出勤など『意欲』として評価されることもありました。しかし現在では「本人の健康」や「私生活への影響」が問題になり、改善が必要という考えが主流になってきたのです。
特に発達障害を持つ方にとっては、大きな負担となることが多いです。今回はこの『ワーカホリックと発達障害』について見ていきましょう。
ワーカホリックの特徴。発達障害との関係は?
仕事自体への関心は低い
ワーカホリックは、仕事に対する『幸福感』や『充実感』がない状態を指します。よって仕事自体の関心が低いケースが多いのです。
発達障害を持ち特に障害者雇用にて就職する場合、企業側の配慮として『誰にでもできる仕事』を任されるケースがあります。この様なときに「この仕事、自分でなくてもできるよな…」「やりがいがなくて、つまらないな…」と思いながらも仕事を続けてしまう可能性があるのです。
この状態のまま仕事を続けることで、以下のようなリスクがあります。
・困難に直面した際、乗り越えるモチベーションがない
・意欲や工夫がなくてもこなせる業務だと、成長を考えない
このような状態のまま仕事を続けていると、心身への負担につながりやすいのです。
義務感を最優先にして仕事を行う
発達障害を持ち障害者雇用などで就職した場合、以下のような意識を持つケースがあります。
・拾ってくれた会社のために恩返しを「しなくてはならない」
・他の人からサポートを受けている立場だから、もっと「頑張らなくてはならない」
一見良い心構えのように感じますが、ここでの問題は、『義務感』が強すぎることです。これが「恩返しをしたい」、「頑張りたい」であればポジティブな形として現れやすいです。しかし、「~でなくてはならない」と自身を縛り付けることが「やる気」だと誤解してしまうおそれがあります。
この心理状態は負担がかかりやすく、うつ病などの二次障害を招くことがあるのです。
『頑張る動機』がネガティブなものである
「仕事をしていないと、置いて行かれそう」「頑張らないと見捨てられる」
このような気持ちを持っていませんか?上記のような心理状態でも、一時的な成果として現れる場合もあります。しかし、『頑張る動機』がネガティブなまま続けていく・活躍するのは心身への負担が大きいことなのです。
我慢することで評価されると誤解している
体調が悪くても我慢して出勤するなど「我慢すること=やる気」と誤解しているケースがあります。何とか周囲に頑張っていることを伝えようと、このような手段に出ていませんか?
「我慢」が過ぎると自身の健康や私生活、家族などにも悪影響が及ぶことがあります。よって長期的に見て、健康状態を保てず評価を下げることにつながってしまうのです。
ワーカホリックの対策。働き方を見直すコツは?
周囲との温度差を感じたら、モチベーションや働く動機を見直してみる
『自分がこんなに頑張っているのに、なんだか周囲はやる気がないな』『もっと周りも意欲的に働けばよいのに』と感じたことはありませんか?
そのような気持ちがある場合、周囲との温度差がある可能性があります。実際には、あなた自身がワーカホリック状態で、周囲が心配しているのかもしれません。
もし周囲の方との温度差を感じたら、自分がどんな動機で仕事をしているかを見つめ直してみましょう。「頑張らなければ怒られる、見捨てられる」のようなネガティブなものであれば、改善が必要です。
仕事との距離感を見直し、依存傾向があれば改善する
仕事の目的が『自分自身の存在を証明するため』や、『他に楽しむことがないから』などではありませんか?事業の成長や繁栄のために働くものが、いつの間にか『自分だけのため』にすり替わっていませんか?
仕事との距離は、近すぎても双方に良い効果は得られません。『これだけ頑張っているのに評価されない』『誰も努力を認めてくれない』と感じる場合は、一度仕事との距離感を見直してみましょう。
定期的に上司と相談し、客観的な意見を聞く
ワーカホリックは、自分一人では状態に気づかない可能性があります。特に問題なく仕事をこなせていると、『仕事ができているのだから問題ない』と思いがちです。
これを防ぐために、定期的に上司と相談する機会を設けてもらいましょう。客観的な視点から自分の状態を知ることが大切です。
今の職場では、モチベーションが上がらない…
ここまでワーカホリックの対策について紹介してきました。しかし発達障害を持つ方の場合、これらのほかに注意しなければならないポイントがあります。
苦手克服ばかり求められる
発達障害は、得意・不得意のムラが激しいことが特徴です。そのため、苦手なことに直面した時に苦しむ機会が多くなります。
特に障害者雇用に対して『苦手を克服して、障害を持たない方と同じように頑張ろう』という考え方が強いことがあります。苦手なことに注目していれば、自然と気持ちがネガティブになってしまいがちです。
上司など、職場と考え方が合わない
コミュニケーションにおいてもすれ違いや感覚のズレなどが生じることがあります。これにより、環境そのものにストレスを感じながらも「辞めても他に勤めるところがない」と無理を続けてしまうケースがあるのです。
このようなリスクを最小限に抑える方法の一つに、『カスタマイズ就業』があります。
ワーカホリック対策として、カスタマイズ就業がある
カスタマイズ就業とは
『カスタマイズ就業』とは、『従業員と雇用主の雇用関係を双方の課題解決のための需要を満たしかつ、お互いを活かしあえる方法で個別設計すること』です。
分かりやすく言うと『障害を持つ方の強みを活かすことで、それが企業にとってのプラスにもなるという働き方』です。
苦手克服に労力を費やすのではなく、頑張った分だけ「プラス」を感じられる新しい働き方になります。
『好き』や『得意』を活かして働けるチャンスがある
カスタマイズ就業を達成するには、まず自身の『できること』『したいこと』を明確にし、それを求めている企業に提案することから始まります。すなわち自己理解をし企業に伝えていくことで、「好き」や「得意」を仕事に活かせるチャンスがあるということです。
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まとめ
【カスタマイズ就業に興味を感じたら、Saladにご相談ください】
いかがでしたでしょうか。自然体に近い形で働くことで、よりパフォーマンスや健康状態が向上します。カスタマイズ就業は、その意味で魅力的な働き方の一つです。
しかし具体的にどう探したらよいか分からない…そのようなときには、ぜひ『Salad』にご相談ください。
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