障害者を雇った場合、助成金を受けられる制度がある
「助成金制度」とは
助成金制度とは、法律により事業主が障害者を雇った際に企業にかかる一時的な経済的負担を軽減することを目的とした制度です。これにより、障害を持つ方の新規雇用や職場定着を進めていこうという取り組みです。
障害を持つ方がより多く、より長く働くことできるために、事業主に様々な種類の助成金制度があります。今回は起業した方が障害者を雇った場合、受け取れる可能性のある助成金にはどのようなものがあるかをご紹介します。
障害者を雇い入れた場合の助成金制度
助成金の支給額は障害の内容や重さによって異なります。金額の詳細は各項目下記の参照リンク(厚生労働省ホームページ)をチェックしてください。
特定就職困難者コース
高齢の方や障害を持つ方などの就職困難者を、ハローワークの紹介によって雇用する事業主に支給されます。雇用保険の一般被保険者となる継続して雇用する労働者を雇用した場合が対象です。
【支給条件】
〇ハローワークまたは民間の紹介事業による紹介で雇い入れること
〇雇用保険一般被保険者として雇い入れ、継続して雇用すること。さらにそれが確実であると認められること。
発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース
発達障害を持つ方や難治性疾患のある方をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成される制度です。
事業主は雇い入れた方に対する配慮事項等について報告する必要があります。また、雇用開始から約6か月後にハローワーク職員等の職場訪問を受けることが義務付けられています。
【支給条件】
〇ハローワークまたは民間の紹介事業による紹介で雇い入れること
〇雇用保険一般被保険者として雇い入れ、継続して雇用すること。さらにそれが確実であると認められること。
障害者初回雇用コース
初めて障害者を雇用する中小企業(障害者の雇用義務制度の対象となる労働者数45.5~300人の中小企業)が、雇用によって法定雇用率を達成する場合に助成する制度です。この制度により、中小企業における障害者雇用の促進を図ることが目的です。
【支給条件】
〇支給申請時点で、雇用する常用労働者数が45.5人~300人の事業主であること。
〇初めて身体障害者、知的障害者及び精神障害者(以下「対象労働者」)を雇用し、1人目の対象労働者を雇い入れた日の翌日から起算して3か月後の日までの間に、雇い入れた対象労働者の数(※)が障害者雇用促進法第43条第1項に規定する法定雇用障害者数以上となって、法定雇用率を達成すること。
〇1人目の支給対象者の雇入れの日の前日まで過去3年の間、対象労働者について雇用実績がない事業主であること。
これらの用件すべてをクリアしていることが条件です。
トライアル雇用助成金
障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース
ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により、就職が困難な障害を持つ方を一定期間雇用することで支給される制度です。トライアル雇用などにより、「業務への適性の有無」「業務遂行が可能かどうか」を見極める際に発生します。
【支給条件】
※以下の対象労働者・雇入れ条件に該当した場合にのみ支給されます。
(対象労働者)・・・条件1と2の両方に該当する方
条件1:継続して働くことを希望している方。かつ、障害者トライアル雇用制度を理解し、同制度の雇入れについて希望していること
条件2:障害者雇用促進法に規定する「障害者」のうち、
①紹介日において就労経験のない職業への就職を希望する方
②紹介日前2年以内に、離職または転職が2回以上ある方
③紹介日前において離職している期間が6カ月を超えている方
④重度身体障害、重度知的障害、精神障害を持つ方
のいずれかに該当する方
(雇入れ条件)
〇ハローワークまたは民間の職業紹介事業などの紹介から雇用すること
〇障害者トライアル雇用等の期間にあっては、雇用保険被保険者資格取得の届出を行うこと
その他の助成金制度
その他助成金制度は、以下の種類があります。(※該当文字が参照リンクになっています。)
【障害者雇用安定助成金】
〇障害者雇用安定助成金(障害者職場適応援助コース)
〇障害者雇用安定助成金(中小企業障害者多数雇用施設設置等コース)【その他の助成金制度】
〇障害者雇用納付金制度に基づく助成金
〇人材開発支援助成金(障害者職業能力開発コース)
〇障害者職場定着支援コース
まとめ
いかがでしたでしょうか。
障害者を雇用することで、これだけの多くの助成金を受け取ることができます。
しかしながら、その助成金を受け取るだけの課題も求められているということです。労働者とあなたとの相互理解を大切にして、一人でも多くの障害を持つ方が職場定着できるよう、取り組んでいくことが大切です。