起業を考え、支援を求める精神障害・発達障害の方がいる
働き方改革が進み、雇用ではなく起業する方が出てきている
働き方改革が進み、就業形態も多様になってきました。これまで障害を持つ方の就業は、企業から雇用される形態が主でした。しかし最近の大きな流れとして、障害を持つ方自身で起業(創業)する、または起業にかかわるケースが出てきています。
社会就労センターや共同作業所なども、障害を持つ方が企業に関わっていることが多いです。
今回は、
〇障害を持つ方が起業した事業には、どのようなものがあるか
〇起業資金を支援する制度などはあるのか
についてご紹介します。
参考:起業アイデアの発想法からお金のことまで!起業前に知っておくべき基礎知識とは? │ 【マイナビ独立】独立・開業・起業・フランチャイズ募集
起業した人は、どのような事業を行なっているの?
在宅就労を希望する人・在宅雇用を開始したい企業への情報提供・支援事業
【企業組合 ユニフィカ】
障害を持つ方で在宅就労をしたい方と、在宅雇用を導入したい企業に対してのサポートを行う事業です。
【どのような方が起業しているか】
起業した方は、車いすを利用した1種1級の身体障害を持っています。他の従業員(メンバー)への仕事の手配や段取りを担当しています。
【主な事業内容】
アプリ開発などのシステムソリューション事業や、バリアフリー・ユニバーサル商品の開発などの自身の障害を活かした事業まで幅広く行っています。
【従業員の働き方・特徴】
従業員にも身体障害を持つ方がいます。起業者の事務局を中心に、情報通信技術を用いて在宅就労のスタイルを取っています。
また、特徴として「障害を持つ方が経済的自立を目指せるよう、学びの場としていること。「情報通信技術を用いることで広域にわたるネットワークを持っていること」「社会的貢献を重視していること」などがあります。
障害を持つ方への職業体験・自律支援事業
【有限会社 コパン】
障害を持つ方とともに、安心して生活できる社会の実現や働く機会の提供かつ創造を目的としています。
【どのような方が起業しているか】
起業した方は、松葉杖を利用した1種2級の身体障害を持っています。従業員とのコミュニケーションの機会を設けることや、短時間勤務などの多様な働き方にも対応できる従業員どうしのコンビネーションを大切にしています。
【主な事業内容】
〇ベーカリー部門・・パンの製造、店舗販売、企業や学校への訪問販売など
〇アート部門・・美術教室、特別支援教育を要する児童・生徒のための教室など
【会社の特徴】
ベーカリー部門では、既存ライセンスに頼らない自社ブランドを開発しています。これによりコストを削減し、食へのこだわりが活かされた商品を製造しています。
また、店舗内の設備は車いすを利用した方でも入店可能な通路や、パンに手が届く高さにするなどの配慮もされています。
では、障害を持ちながら起業したい!という場合、問題となるのは「起業資金」です。この起業資金を調達する方法には、どのようなものがあるのでしょうか。また、あなたの企業を支援する制度などは、どのようなものがあるのでしょうか。
起業を支援する制度・起業資金のサポート制度
1)個人事業税が減免されることがある
【納税者が障害者の場合の減免】
個人事業主として起業する場合、税事務所に申請すれば個人事業税が減免されることがあります。減免の条件としては
〇 合計所得金額が370万円以下であること
〇 納税者または扶養親族等が障害者であること
の両方を満たしていなければなりません。なお、「障害者」とは、身体障害・精神障害者手帳を持っている方、知的障害であると認定されている方などが該当します。
【高額医療費に該当する場合も、個人事業税が減免される】
障害を持つ方の多くは、定期的な通院をされている方が多いのではないでしょうか。通院により、高額医療費の支出があった場合も個人事業税が減免されるケースがあります。条件は、医療費の合計額が
〇(合計所得金額×20%-25万)<(医療費※保険金等による補てん部分を除く)であること
になります。
該当する医療費は、通院費はもちろん医薬品の料金、通院にかかる交通費、医療器具の代金などが該当します。詳細は、下記の参照リンクをチェックしてみてください。
2)創業補助金を受け取れる場合がある
創業補助金とは、創業の際にかかった経費の一部を補助してもらえる制度です。2018年度から「地域創造的起業補助金」という名称に変更されています。
最高で200万円まで受け取ることができます。受け取る条件としては、
〇新たに設立した法人の代表となること
〇事業のために新たに従業員を1名以上雇用すること
この両方を満たしている必要があります。
大きな利益があった場合を除き、返済不要という大きなメリットがあります。申請期間は毎年変わります。中小企業庁のサイトや市区町村の当該窓口(産業振興課など)に問い合わせてみましょう。
その他、起業をサポートする情報はこちら
その他、下記の参照リンクにて人材の支援、創業資金についてなどの情報が紹介されています。併せて参考としてください。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
障害を持っているからと言って、働き方を制限する必要はありません。むしろ、起業はあなたの個性を活かす、最良の方法かもしれません。
しかし、雇用と異なりあなた一人で様々な物事をこなさなければなりません。労働者を雇うとなればなおさらのことです。まずはあなた自身の体調を大切にしながら、慎重に準備していきましょう。
この記事が、あなたの夢実現へのきっかけになりましたら幸いです。