リワークとは?職場復帰に有効な理由は、再発の抑制効果にあり!

職場復帰のためのサポートに「リワーク」がある

リワークで職場復帰した女性
精神疾患などで休職中の方にとっては、職場復帰についての不安はとても大きいものです。「今までのように通勤できるのだろうか?」「職場の人とうまくコミュニケーションができるのだろうか?」考えれば考えるほど悩んでしまいますよね。

悩みを抱える方々の職場復帰へ大きなサポートとなる「リワーク」という支援サービスをご存知でしょうか?この記事では、「リワーク」支援が職場復帰に効果的な3つの理由を挙げ、具体的な運営母体や利用にかかる費用についてご紹介します。

「リワーク」とはなに?

リワークによりステップアップしていくイメージ

リワークとは “Return to Work” を略した用語で、精神疾患などで休職している方を対象に、職場復帰に向けたリハビリプログラムを提供する支援サービスです。精神科クリニックに併設されている施設や、「自立訓練(生活訓練)」、「就労移行支援」という民間施設などが提供しています。

施設によって提供されるプログラムはさまざまですが、主に

・体力回復のための軽スポーツ
・コミュニケーション力向上のためのレクリエーション
・ビジネススキルを身につけるグループワーク
・ストレス対処法を確立させるための認知行動療法

といった生活面やビジネス面、心理面など多角的な視点に立ったサポートを受けられます。

参考:職場復帰支援(リワーク支援) ~精神疾患で休職していてなかなか復帰が難しい方を支援します~ |働く人のメンタルヘルス|治療や生活に役立つ情報|みんなのメンタルヘルス総合サイト

リワークとは、症状の再発を予防するためのリハビリテーション

リワークのプログラムは、うつ病などに代表される「気分障害」に効果的であると言われています。気分障害は、再発率が高いとされていますが、一度再発すると再現率もさらに高まってしまいます。

この再発の根本原因がうまく解決されないままに復職を行なってしまうと、症状の再発生に伴い休職を余儀なくされるとともに、再発率も上がってしまうかもしれません。

復職をきちんと行うために、リワークのプログラムを適切に行うことが肝要です。リワークは、症状の再発を防ぐための、精神的なリハビリテーションと言えるでしょう。

参考:うつ病|疾患の詳細|専門的な情報|メンタルヘルス|厚生労働省

リワークが職場復帰に効果的な理由3つ

リワークで職場復帰した人たち

リワークが職場復帰の成功に与える効果はとても大きく、リワークを併設しているクリニックの調査では、リワークを利用して職場復帰した人と利用せず職場復帰した人の3年後の就労継続率には3倍の開きが出たという報告もあります。

リワークが効果的といわれる理由を3つに絞ってお伝えします。

理由①:生活リズムを整えられる

現在のリワーク施設は、その多くが通所型の施設となっています。朝起きて支度をし、場合によっては電車にも乗って施設に通い日中を過ごすことで、徐々に生活リズムを整えることができます。

決まった時間に起ききちんと食事を摂り、決まった時間に寝ることが精神疾患の症状の安定に向けた第一歩となるため、リワークはそのステップを支える役割を果たしています。

理由②:一人ではできないことに取り組める

体調が回復してくると、職場復帰に向けてさまざまな取り組みが必要となりますが、散歩をしてみる、図書館で過ごしてみるなど、一人ではできることに限りがあります。

その点、リワーク施設では先に挙げたような様々な取り組みにグループで取り組めるため、取り組みの幅が格段に広がります。グループワークに取り組むことで、一人では気づけなかった自分の特性について、周囲の人から客観的な意見をもらえることも大きなメリットです。

関連記事:【体験談】就労移行支援のグループワークで得られたメリットとは?

理由③:職場復帰のタイミングをより正確に判断できる

これは支援者側の理由でもありますが、一日の大半をリワークで過ごすことで、職場復帰の準備に移れる段階かどうか、より正確に判断できます。

精神科などの診察は数分で終わることも多く、主治医は非常に短時間で職場復帰が可能かどうか判断しなければなりません。実際に、復職の許可を出した患者が職場復帰後すぐに再休職に至ってしまったケースはとても多いのです。リワークで本人の取り組みのようすを確認できることで、リハビリの段階を見極める正確性が高まります。

リワークの運営母体や費用は?

リワークにより職場で活躍する男性

リワーク施設を運営する母体はさまざまです。母体によって利用にかかる費用が異なるため、注意が必要です。以下でご紹介します。

運営は「医療」「行政」「民間」に分かれる

リワーク施設の運営母体は主に3種類に分けられます。

医療:主に精神科クリニックに併設されている施設
行政:障害者職業センター(地域障害者職業センター)
民間:株式会社やNPO法人による福祉サービス

医療機関の場合は、通院しながら専門家による支援が受けられる点がメリットです。一方、各都道府県に設置されている障害者職業センターによるリワーク支援では、本人への支援だけでなく企業へのフォローアップもおこなわれる点に魅力があります。

また、民間事業者によって運営されている就労移行支援では、離職者に向けた再就職支援が充実しており、今後のキャリアを考える際に専門的な支援を受けられます。

リワークを利用する費用は?

リワーク施設の利用には費用が発生します。ただし、前年の所得状況や各種制度の利用によって上限が定められている場合がほとんどです。

【医療機関】
保険適用され、対象者は自立支援医療 (※) の利用可(所得に応じて上限あり)
※自立支援医療とは、心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度です。

【障害者職業センター】
無料
【民間事業者】
前年の所得に応じて上限あり

参考:自立支援医療|厚生労働省
参考:障害者職業総合センター 職業センター

就労移行支援では、事業所によっては離職中の方のみを対象として再就職を支援している施設もあるため、ご興味のある施設が見つかったら問い合わせてみましょう。

費用については、障害者職業センターは無料であり、また自立支援医療などにより上限が設定されているため、医療機関と民間事業者でそれほど大きな差があるわけではありません。ただし利用できる制度などが異なるため、事前に確認しておくと安心して利用を開始することができます。

障害を持つ方へ。『Salad』が強みを活かした社会復帰のサポートをします

冒頭でもお伝えしたように、精神障害などでいちど職場から離れてしまうと『自分は仕事ができるのかな…?』『自分は何もできないのかな…?』など自信をなくしやすいです。

もう一度社会復帰して活躍するためには「自分に適したスキル」「自分に適した職場環境」を理解することが大切です。このような働くことに対して不安を持っていたら、その気持ちをぜひこのサイト「Salad(サラダ)」に相談してみませんか。


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まとめ

就労移行支援事業所でリワークを行う様子
いかがでしたでしょうか。

「生活リズムを整えられる」「一人ではできないことに取り組める」「職場復帰のタイミングをより正確に判断できる」などのメリットを得られるリワークについてご紹介しました。

運営母体によってプログラムの内容や費用はさまざまですので、ぜひ一度お近くの施設を見学してみることをおすすめします。

うつ病などの気分障害は再発が非常に多いといわれています。職場復帰に向けて段階的にリハビリに取り組めるリワークをうまく利用できれば、再発予防の対処法を身につけることができ、復帰後も安定して働き続けることができるでしょう。

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