非定型うつとはどんな状態?
非定型うつとは
『非定型うつ』とは、自分が嫌がっていることや困難に感じることに対して体調悪化が進む状態をいいます。常に目眩や意欲低下など不調が続くうつ病とは異なり、楽しいときには全く症状が見られないことも特徴です。
現在非定型うつは20代から30代の女性に多く見られ、注目されてきているのです。
周囲に理解されにくく、甘えているように見られやすい
非定型うつは調子の良いときもあるため、周囲からの理解を得にくい問題があります。
『あれだけ調子が良かったのに休むなんて、仮病ではないか』『甘えじゃないか』など、誤解をされることでさらにストレスが高まってしまうのです。
今回は『非定型うつ』について、従来のうつ病と比較しながらポイントを説明したのち、セルフケアの方法を紹介します。
【うつと比較】非定型うつの特徴
共通点1:ストレスが原因で発症しやすい
従来のうつ病と同様、非定型うつもストレスによって発症しやすいです。
また、従来のうつになりやすい人として『責任感が強い』『真面目』などが挙げられます。
非定型うつも『良い子』と言われてきた人がなりやすいと考えられています。周囲から一定の評価を得るために、「良い人」を演じてしまう癖があることで無理をしてしまうのです。
どちらも自分を抑制しすぎる傾向として、共通しているのではないでしょうか。
共通点2:パニックを起こす可能性を持つ
どちらも些細な言動や出来事によって激しく傷付いたり、時には怒り出したりするケースがあります。
動揺や不安を伴うことで、パニック状態を起こしてしまうリスクもあります。
違い1:気分の変動がある
従来のうつとの違いとして、『気分の変動がある』ことです。
従来のうつも気分がひどく落ち込むことが特徴です。一方、非定型うつは落ち込むだけでなく高揚するときもあり、気分の変動が激しいです。
従来のうつ病と同様、性格や努力不足によるものではなく疾患によって気分の変動が起きるのです。
違い2:ストレス対象以外なら、楽しむこともできる
従来のうつ病はどんな場面でも意欲をなくし、好きなことでもやる気が起きません。
対して非定型うつは、ストレス対象以外の場面では症状が見られず、元気に見えることがあります。
このギャップを職場に知られてしまうことで、『休みはあれだけ元気だったのに』『仕事のやる気がないだけだろう』という誤解をされやすいのかもしれません。
違い3:現れやすい症状が異なる
従来のうつが不眠や食欲不振になりやすいのに対し、非定型うつは過眠や過食になりやすい傾向があります。この点も人の見方によっては『ただの寝過ぎ』『よく食べていて元気』などの誤解をされるおそれがあるのです。
違い4:イライラの矛先が異なる
従来のうつ病は怒りや不満を自分に向けるケースが多いです。しかし非定型うつは自身ではなく他者にイライラを向けることがあります。
職場で言えば上司や同僚、仕事内容などにイライラしてしまうのです。これは「良い子」であるために他者の評価に敏感になりやすいことも関わっています。ちょっとした指摘でも「完全否定された」と怒りを感じていませんか?その場合、非定型うつである可能性があります。
このような点でも非定型うつが『甘え』だと誤解されてしまうのではないでしょうか。
非定型うつと感じたら、どうすればいいの?
医療機関の診察を受ける
上記のように非定型うつは『周囲につらさが伝わりにくい』だけで、同じように不調に悩む病気です。
普段は元気でも、仕事など特定の物事に強い不安や不調を感じたら医療機関(精神科や心療内科)に行きましょう。
非定型うつのとき、どうケアすればいいの?
うつ症状になると、薬物療法をメインに治療が進んでいきます。しかしそれだけでは非定型うつの原因解消にはつながりません。場合によっては、ストレスが溜まってしまうかもしれません。
したがって非定型うつを回復・改善させるためには、休養以外にも日頃のセルフケアも大切になります。それでは、心を落ち着けるセルフケアの方法を紹介します。
参考:非定型うつ病|犬山病院
非定型うつに対するセルフケア
少し達成感を得られることにトライしてみる
従来のうつ病は、発症直後は充分な休養をとることとされています。
しかし非定型うつの場合は、休養を取るのみでは改善されません。少し達成感が得られるものにトライしてみることも効果があるとされています。
軽い運動を行う
軽い運動を行うことでも、非定型うつのストレスが緩和される効果がある可能性があります。
運動をすることでストレスを解消し、他者にイライラする感情が緩和されるかもしれません。
呼吸法や瞑想で気持ちを整える
呼吸法や瞑想で気持ちを整えることも効果があるとされています。寝る前や朝起きたあとなど、不安を感じたときに実践してみましょう。
認知行動療法を活用する
認知行動療法とは、考え方のゆがみや偏りを客観的に見直して改善する心理療法です。
そもそもどうして不安になるのか。そもそもどうしてイライラするのかを改めて考えていくことで、ストレスの発生そのものを緩和させる効果があります。認知行動療法について詳しくはこちらの記事「認知行動療法とは?セルフケアで発達・精神障害の不安を解消!」を参考にして、思考の見直しを進めていきましょう。
ストレス緩和には、アンガーマネジメントも効果的
非定型うつはあらゆる物事へ「怒り」の感情が涌くことでストレスがたまるかもしれません。これを他者にぶつけていたらトラブルや問題解決ができなくなるリスクが起きます。かといってすべてを自分の中で抑えつけようとすればストレスになり、体調悪化につながるでしょう。
このような怒りの感情に悩んでいたら、「アンガーマネジメント」も効果的です。アンガーマネジメントは怒りの感情とうまく向き合い管理することで、行動に出る前に怒りを分散させるという方法です。
詳しくはこちらの記事「アンガーマネジメントとは?怒りのタイプを知り問題解決スキル向上!」をチェックしてみましょう。怒りやすい傾向に関しては、下記の関連記事も併せてチェックしていただけますと幸いです。
関連記事:【アンガーマネジメント】怒りタイプのチェックテストを受けた体験談
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
他者にイライラをぶつけてしまい、さらに他者から理解を得られないという悪循環に悩んでいませんか?自分の気持ちのコントロールに悩んだら、まず医療機関の診察を受けましょう。また、症状に悩むときや、怒りを放出してしまった時なども自分を責めすぎないようにしましょう。辛い時は原因に固執するのではなく、今後の改善に意識を向けてみてください。
その他困っているときは、Salad編集部までご相談ください。