【体験談】うつ病で復職と休職を繰り返す後、再就職を決めた理由とは

うつ病の場合、復職しても再発してしまうケースがある

復職後の勤務中に緊張する男性社員

復職とは

「復職」とは病気や怪我での休職から、仕事ができるまでに回復し同じ職場に復帰することを指します。そのため、休んでいた企業を辞めて他の企業に就職することは「再就職」となります。

うつ病の場合、休職と復職を繰り返すケースがある

怪我であれば、回復後は元の働き方ができるかもしれません。しかしながらうつ病をはじめとした「精神的な疾患」にあっては、復帰後再び症状が悪化してしまうケースがあります。これにより休職と復職を繰り返してしまうケースにもなりかねません。

参考:うつ病|疾患の詳細|専門的な情報|メンタルヘルス|厚生労働省

筆者もまたうつ病を発症したことで過去に2度、復職を目指して訓練をしたことがあります。しかしながら結果的に状態が完全に戻ることはなく、2度目の復帰失敗の際に退職を決意しました。

なかなか「辞める」「続ける」という決断ができず、ずるずると引きずってしまった記憶があり、『将来』から逃げていた時期もありました。

今回は筆者の経験から「復職と休職を繰り返してしまった理由」「最終的に、退職し再就職を決めた理由」を紹介します。うつ病で休職していて、この先どうしたらよいだろうと悩んでいる方の参考になりましたら幸いです。

【体験談】復職と休職を繰り返してしまった理由

うまく仕事ができず落ち込む男性

休職中は発症やストレスの原因から離れているため、状態を把握しづらい

休職中は職場から離れ、努めて職場のことを意識しないように配慮してもらいました。そのため、職場でのストレスを休職中はほとんど感じることがありません。ですから今休んでいるときに「大丈夫」でも、また同じ原因によって再発するということを繰り返していたのです。

このように、休職中に職場のストレスに耐えうる状態に戻っているのかを把握しづらいことで休職・復職を繰り返していました。

症状により、決断力が鈍っていた

うつ病を発症すると、決断力やポジティブな発想がしにくくなります。先のことに不安を感じるため、考えることからも逃げていたくらいです。「将来」と言う言葉自体にプレッシャーを感じていて、耳にすることが嫌でした。

このような状態のため、自分で今後を決める力は全くありませんでした。職場や医師から「そろそろ復帰を考えてみようか」と言われたら試してみるという受け身状態で決めていたため、自分の状態を正確に把握できないまま復職に臨んでいたのです。

さらには「辞める」と言い出すこと自体が怖かった記憶もあります。

このような事情から復帰を臨みましたがすぐに体調が悪化し、週5日の出勤ができたのは1週間程度でした。

仕事に希望は感じていなかったが、辞めることが怖かった

筆者はもともとの持病により、この職場を受けた時に望んでいた目標はあきらめていました。うつ病を発症したときは、仕事は生活のためでしかなかったのです。そのため、「何としてでも続けたい」という意思もなければ、「辞めることも怖い」のです。「もう一度就職活動はしたくない」「無職になるのが怖い」という感情もありました。

そのため、改善の希望がないまま休職と復職を繰り返す「中途半端な形」になってしまっていました。

このような理由から2年間、休職・復職を行ったり来たりしてきました。そのような中で筆者がどうして「退職→再就職」という決断に行ったのかをお伝えしましょう。

参考:仕事|こころの病気への支援や助成など|治療や生活へのサポート|メンタルヘルス|厚生労働省

復職を諦め、再就職に踏み出した理由

うつ病を持ちながら復職について医師に相談する男性

健康面や体力面に限界を感じていた

2度目の復職に臨んだ時は、職場から「もう次(のチャンス)はない」と言われていました。筆者自身も「次もダメだったら辞める」と決断していたのです。

そのようなプレッシャーもあってか、健康面や体力面に関する負担が大きいものでした。復職に向けたトレーニングは簡単な作業のみで、それほど負担のかかることではありません。しかしながらストレスの原因となる上司の監視によるものや、オフィス全体の空気に圧倒されて体がもたなかったのです。そのため、退勤後に家族に車で迎えに来てもらうこともあったほどです。

さらには「体の震えが止まらない」「過敏性腸症候群が止まらない」など、明らかな体の不調として自覚できたことから、復職を諦めるきっかけになっていきました。

参考:過敏性腸症候群 | e-ヘルスネット 情報提供

関連記事:体の震えが止まらない時、抗うつ薬の副作用で医師に相談した体験談

不調の原因が職場であることに気付いた

不調の原因が明らかに「職場である」ことに気づきました。復職を目指していた当時、仕事への不安がなかった時間は一日のうちで「退勤後5分間」のみでした。

それ以外の時間は職場への不安で悩み続け、朝になることが怖いために眠ることもできなかったほどです。こうして不調の原因とともにずっと仕事を続けることはできないと感じ、職場を辞めることに意識が向いていきました。

他に色々な仕事があることを知った

当時はかかりつけの病院専属のカウンセラーの方や、地域の就労支援センターの方に相談していました。相談していく中で、「辞めたら仕事が何もないわけではない」「まだ他にもいろいろな仕事がある」ということを知りました。

これにより、「辞める」ことへの恐怖感がなくなっていったのです。

同じ環境での復職は、再就職よりも難しいと感じた

再就職後、困って考え込む男性社員
今から考えてみますと、同じ環境に戻って仕事をする『復職』がいかに大変なことだったのかと感じています。同じストレス原因がある中で向き合い方を工夫していくことにとても苦労した記憶があります。最終的に、職場とは分かり合えなかったわけです。

「それまでできていたのにできなくなった」人として見られる(と感じる)中で仕事を続けること、ストレスを感じた場所や人と再会して仕事を続けることは大変なことだと、筆者は感じています。

参考:Q1:適切な復職判定の原理原則や主治医との連携とは?:専門家が事例と共に回答~職場のメンタルヘルス対策Q&A~|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト

今の環境が辛いと思ったら、カスタマイズ就業を検討してみよう

カスタマイズ就業で、自分らしい働き方に意欲を見せる社員たち
現実問題、一人の事情で環境を変えるということは難しいでしょう。ですから今の職場環境が辛いと感じたら、自分に合う職場を探す方がストレスは少ないのではないでしょうか。

そうして新しい環境を探すヒントに「カスタマイズ就業」があります。

このカスタマイズ就業は、うつ病などの精神障害も含む様々な障害を活かした環境で働くことで社会貢献していくという、新しいワークスタイルです。

筆者のように「辞めるのが怖い」という理由だけで苦しみながらも仕事を続けていることもあるのではないでしょうか。そのような「不安」や「恐怖」を抱えたまま仕事を続けることは筆者の経験上、とても辛いことです。

カスタマイズ就業は、本来自分が持っている個性を活かして働くスタイルです。ですから今あなたが持っているもので活躍できるため、今以上のチャンスを得る可能性があるかもしれません。

Saladでもこちらに、長所を活かせる非公開求人も取り扱っております。

「将来を考えたくない暗い不安…」「今の環境に合わずに辛い」など、働き方に迷っているときはSalad編集部までお声かけください。

参考:障害者の能力や強みを生かす「カスタマイズ就業」って? – 毎日新聞

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おわりに

うつ病を乗り越え、自分らしく働く男性
いかがでしたでしょうか。

今回は筆者の経験から、「休職・復職を繰り返した」ことをお伝えしました。筆者は復職を諦め、再就職という決断をしました。もちろん、辞めずに復職に成功した方もいるのではないでしょうか。

今、休職している・復職にトライしているのであれば「無理をしてまで、命を削ってまで続けることはない」「辞めても活きる手段はある」ということを覚えておいて下さい。

【筆者紹介】
Salad編集部員。30代男性。広汎性発達障害、ASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けている。この時復職にトライした時は初めての職場であり、「辞める経験」がなかったため、尚更再就職に踏み出せなかった記憶がある。現在はテレワークの仕事に就き、自分の生活にマッチした働き方ができている。

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