抜毛症とは
抜毛症の定義
抜毛症とは美容上の理由以外で自分で毛髪を繰り返し引っ張ったり、引き抜いたりしてしまう症状のことをいいます。
それにより毛髪が喪失することで症状が明らかになることが多いです。
多いのは頭皮や眉ですが、全身のあらゆる毛が対象になります。
抜いた毛髪を集めたり、飲み込んでしまったりする症状を併発する場合もあります。
抜毛症は人口の1~2%にみられ、患者の9割は女性です。
参考:[おはよう日本] “抜毛症”で悩んでいる人に「ひとりじゃない」と伝えたい | NHK|Youtube
参考:髪の毛や体の毛、自分で抜き続けて脱毛状態に…「抜毛症」とはどんな病気? 医師に聞く(オトナンサー) – Yahoo!ニュース
子供でも抜毛症になることはある?
抜毛症の症状は典型的には思春期の前後に始まる場合が多いとされています。
当事者の手記などを見ていると、小学校高学年~中高生の頃に発覚(親や周囲の人にもわかる)するケースが多いようです。
もっと小さな子供でも抜毛症を発症するケースもあります。
発達障害と抜毛症
発達障害と抜毛症を併発するケースもあります。
発達障害が直接の原因というより、感覚過敏や二次障害などによるストレスにより抜毛症を発症している可能性があります。
参考:子どもの抜毛症|親の対応や治療方法「どうすれば治る?」「何科に相談する?」 | kosodate LIFE(子育てライフ)
抜毛症の原因は愛情不足?
思春期前後の親子関係の複雑な時期に症状が始まるケースも多いことから、親子の愛情不足が原因と考える人もいるようですが、抜毛症になるはっきりしたメカニズムや原因はわかっていません。
親に「髪を抜くのをやめなさい」と頭ごなしに叱られて適切に相談できずに一人で抱え込み、症状が長引いてしまったり、親に叱られるのが怖くて「(何もしていないのに)髪が抜けた」と言って脱毛症と誤解されていたりする場合もあります。
抜毛症は治療が必要?
抜毛症になったら病院に行ったほうがよい?
抜毛症自体の治療のためには精神科や心療内科を受診するのが適切です。
抜毛行為で頭皮や皮膚が傷ついてしまっていたり、強いかゆみを感じていたりする場合は皮膚科の受診も検討しましょう。
参考:抜毛症(抜毛癖) – 10. 心の健康問題 – MSDマニュアル家庭版
参考:皮膚むしり症 – 10. 心の健康問題 – MSDマニュアル家庭版
抜毛症の治療はどんなことをするの?
基本的には薬物療法と、毛髪を抜く行為を他の行動に置き換える(両手でももをにぎりしめるなどして両手とも使えないようにする、こぶしを握り締める、タオルなどの糸を抜くなど)などの対処を実践する行動の二つの対処に分かれます。
症状の重症度は時期により変動する(悪くなったり良くなったりする)ことが多いようです。
抜毛症で美容院に行きたくなったら?
抜毛症や脱毛症で髪のない部分があると、髪を整えたくても美容院に行くのが恥ずかしいかもしれません。
美容師さんに驚かれたり、心無いことを言われて傷つけられたりするのではないか心配している人もいるかもしれませんが、ほとんどの場合はそのようなことはないでしょう。
美容師さんの人柄が心配なら、家族や友人の通っているサロンの美容師さんを紹介してもらうのもよいでしょう。
心配な場合は事前に電話で「脱毛している部分があるのですが」と相談してみるとか、ホームページを見て個室のある美容室を選ぶとかいった工夫をすることもできます。
また、数は少ないですが抗がん剤治療などで脱毛した方や脱毛症の方、ウィッグユーザーの方などに特化した施術を行う美容室もあります。
脱毛個所を目立たなくするスタイルや、ウィッグのカットなどにも対応できる場合もあるのでそのようなサロンを利用するのも手段の一つです。
抜毛症の困りごとと対策
抜毛症でもっとも困るのは毛髪がなくなった箇所を隠せない時だと思います。
ウィッグは扱いに少し慣れが必要ですが、現在は安価で高品質なものがネットでも入手できるようになっています。
地毛で毎日脱毛部分を気にして長時間ストレスを感じているようなら、思い切ってウィッグを購入して使用したほうがストレスなく過ごせるかもしれません。
また、頭全体を覆うウィッグを付けている間は毛髪を抜くことはできないのでそれも抜毛行為の防止によいかもしれません。
特に総手植えの医療用ウィッグは、マシンメイド(機械で毛を植えたもの)に比べて見た目の自然さも着け心地や通気性も段違いで高品質です。
参考:自然なウィッグの通販|リネアストリア
参考:自然なウィッグ通販専門店|アクアドール(AQUADOLL)
参考:自然なウィッグ通販専門店|ブライトララ ウィッグ
ウィッグの選び方と扱いのポイント
ウィッグの選び方と扱いで大事なポイントをご紹介します。
【ウィッグの選び方】
・人毛のウィッグは見た目が自然ですが、人工毛のウィッグの方が扱いが楽です。
頻繁にシャンプー・ブラッシングすることになるので、大事なポイントです。
・毛量もウィッグを選ぶうえで大事なポイントです。
多すぎると不自然で、少なすぎると透けてしまいます。
メーカーやスタイルによって大きく異なります。試着できるとベストです。
・ウィッグの本体(キャップ)には頭の大きさに合わせたサイズがあります。
購入したいウィッグのメーカーのホームページなどを参考に頭の周囲を測って自分に合うサイズのものを購入しましょう。
・カラーは完全な真っ黒よりも少しブラウンがかった色の方が方が自然です。
髪の根元の色が黒、毛先の色がより明るいカラーのものがあり、地毛風で自然な感じに見えるのでおすすめです。
・初心者の場合は前髪のあるウィッグ、もみあげや襟足の長いウィッグを選んだ方がウィッグであることがわかりにくいでしょう。
【ウィッグの扱い】
・ウィッグの下にウィッグキャップ(ネットではなく水泳キャップのような薄い布製のキャップ)を着用すると直接肌にウィッグが触れず、汗も吸って快適です。
さらにウィッグ固定バンドも利用すると強力にずれを防止できます。
・ウィッグは絡まりやすいので(特に髪が長いスタイル)、着用の前後はブラッシングしましょう。
絡まりにくい専用のブラシや、ウィッグ用のスプレーやオイルがあるので利用しましょう。
参考:ウィッグのお手入れしないとどうなる? | リネアストリア
参考:抜毛症#11(お気に入りのウィッグと理由)ASPJ調査結果|ASPJ_official |note
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まとめ
症状自体を気にしすぎるより、ウィッグや帽子を利用して快適に生活する
抜毛症の症状は悪くなったりよくなったりしながら続くケースも多いようです。
症状はとてもつらいですが、気にして落ち込んで過ごすよりもウィッグや帽子などを利用してなるべく気にならないように快適に生活できるようにできるよう、少しでもこちらの記事がお役に立てれば幸いです。
ウィッグの感触や締め付けがつらい場合は、コットン・シルクなど好きな素材の帽子をかぶり、付け毛や部分ウィッグを帽子の内側にとりつけることで、頭皮への刺激を少なく抑えて見た目を自然なスタイルに見せるアイディアもあります。
また、これはウィッグを傷めるかもしれないのであまりおすすめはできませんが、ペット用のブラッシングスプレー(グルーミング用スプレー)を吹き付けてブラッシングすると、ウィッグの絡まりがほどけやすくなるので、傷んでも大丈夫な場合は自己責任で試してみてください。