【パニック障害への認知行動療法】自分で対処する方法と注意点3つ

パニック障害とは

パニック障害により不安に襲われ混乱する男性

突然の動悸やめまい、発汗、吐き気などの発作症状に見舞われ、生活に支障をきたすほどの状態に陥る精神疾患がパニック障害です。

パニック発作を経験した人は、「このまま死んでしまうのではないか」「同じ場面でまた発作が起きるのではないか」という不安を強く感じ、そのため特定の場所(電車内など)に行くことができなくなったり、さらには外出そのものができなくなったりしてしまうことがあります。

パニック障害の治療には、薬物療法に加え精神療法として「認知行動療法」が効果的であるといわれています。認知行動療法は、自分の生活上の問題に焦点を当て、「認知」(物事の捉え方・考え方)と「行動」の面から解決を試みる精神療法です。症状が比較的軽度の人や予防として取り組みたい人には自分で学べるよう、専門の書籍などが販売されています。

参考:パニック障害・不安障害|病名から知る|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省

パニック障害当事者の方が自分で認知行動療法に取り組む際、注意しておきたいポイントが3つあります。この記事で整理し、ご紹介します。

パニック障害への認知行動療法は自分でできる?

パニック障害の不安を抱えている男性

認知行動療法は、パニック障害の当事者自身が、自身のパニック発作の特徴や症状のメカニズムを理解し、発作反応に対して過剰に抱いている感情(不安や恐れなど)をバランスのよいものに整えていく対処方法を学びながら、自分らしい生活を実現させることを目指す精神療法です。

心理教育や具体的な手順の指導は専門家のもとに行なわれますが、認知行動療法の効果を高めるには当事者自身の積極的な取り組みが大切です。最終的には、症状の兆候が感じられたことに自分で気づき、自分で対処できるようになることが目標です。

参考:認知行動療法とは|認知行動療法センターのご案内|認知行動療法センター

関連記事:パニック障害の原因は母親だった!?チェックすべき4つの項目とは?

パニック障害への認知行動療法のやり方(技法)

改善する行動についてイメージする男性(認知行動療法)

認知行動療法は「認知療法」と「行動療法」の総称であり、それぞれにさまざまな技法が存在します。例として、パニック障害へも適用されるやり方を、認知療法/行動療法それぞれから1つずつ紹介します。

認知再構成法

人は、身の回りの出来事に対してさまざまな感情や思考を抱きます。これらの出来事の中には、自分にとってネガティブな感情を生み出してしまうものもあります。しかし、特定の状況や出来事が自分の感情に直接影響を及ぼしているのではなく、その出来事を自分がどのように捉えたか(認知したか)によって、自分の感情が揺れ動いているのです。

パニック障害を抱える方の場合、特定の状況や出来事に遭遇することが直接パニック発作を引き起こしているのではなく、その出来事を自分がどのように認知しているかによってパニック発作が引き起こされているのです。

認知再構成法では、自分が特定の出来事に対してどのような認知を抱いたかを明らかにしたうえで、その認知が客観的事実に照らし合わせてみると必ずしも適切とはいえないということを理解します。そして、自分が抱いた認知に代わる、より現実的な認知を持てないか検討することで、感情のバランスを保つことを目指します。

参考:認知再構成法 – 日本精神神経学会

段階的暴露療法

特定の状況や出来事によってパニック発作を経験すると、多くの人が「同じような状況になれば、また発作が起きるにちがいない」と思い込むようになります。すると、同じような状況を事前に予測できたとき、その状況を回避する行動を選択するようになります。その状況でのパニック発作はなくなることはないのですが、一時的に不安は軽減されるので、「回避は正しい対処だった」という理解が深まってしまうのです。

行動療法のひとつである暴露療法では、段階を踏みながら不安の対象となっている状況にあえて自分の身を置き、不安をコントロールする技術を学んでいきます。

参考:エクスポージャー療法 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

自分で認知行動療法に取り組む際の注意点3つ

認知行動療法についてアドバイスする女性

薬物療法と同等の効果が期待できる認知行動療法ですが、自分に合わない方法を選んでしまったり、取り組み方を誤ってしまったりすると、症状が悪化するリスクもあります。以下では、自分で認知行動療法に取り組む際の注意点を3つ挙げてご紹介します。

注意点①:症状が安定しているときに行なう

認知行動療法では、自分がネガティブに感じる思考や出来事に向き合う必要があります。そのため、気分や体調が不安定なときに取り組むと望んだとおりの効果が得られないばかりか、症状が悪化してしまう可能性もあります。

自分ひとりで取り組み始めるとしても、主治医の先生など専門家に、自分は認知行動療法に取り組める段階にあるのかどうか、相談してみることを強くお勧めします。

認知行動療法に取り組む前に、自分の気分を少し上向けたり、落ちつけたりできる行動を試してみることによって、自分を「認知行動療法モード」に整えることも時には必要です。

注意点②:長期的視点で無理なく継続する

認知行動療法は、取り組んで即座に身につけられるものではありません。最初は、自分の感情や思考をうまく掴めなかったり、自分の思考が正しいとはいえない根拠を探すことに苦労したりするかもしれません。

ダイエットと同じように、自分に合った目標を定め、少しずつできる範囲で無理なく続けていくことで達成をめざすことが大切です。

また、認知行動療法には個人の相性もあるため、自分に合わないと感じられることもあります。人によっては他の療法のほうが効果を得られることも考えられるため、違和感を覚えたらぜひ専門家に相談してみてください。

注意点③:ときには周囲からの支援にも頼る

認知再構成法などは、十分に訓練を重ねれば自分ひとりでできるようになる技法です。しかし、この記事で紹介した暴露療法などは、ご家族や周囲の方々の支援が必要となる場面もたくさんあります。行けなくなってしまった場所に一緒に着いてきてもらうなど、はじめからひとりで実践するのではなく、周囲の支援にも頼りながら段階的に訓練を続けていくことが大切です。

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まとめ

パニック障害を克服し、働く意欲を見せる男性

パニック障害に対して効果があるといわれる認知行動療法のうち、この記事では「認知再構成法」と「段階的暴露療法」をご紹介し、それぞれ自分で取り組む際の注意点を3つご紹介しました。

ご自身の症状が安定した段階から始め、無理なく続けられる目標を立て、周囲に頼りながら進めていくことで、あなたのパニック発作が軽減していくことを願っています。

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