ペット動物の保護活動・応援をする方法 – 実践編

ペット動物の保護にかかわる活動や仕事をするには?

ミックスの小型犬

“動物は好きだけど自分で飼うことはできない”と責任ある判断ができることはすばらしい

動物好きで飼育放棄や殺処分の存在する現状に心を痛めているけれど、自分は何もできない……と心を痛めている人もいると思います。

そのような人にはまずはその考え方に自信を持っていただきたいです。

動物は好きだけど、自分の現在の状況では飼うことはできないという、自分の希望よりも動物の適正な環境を考えて自分の行動に責任が持てる・自分で客観的な判断ができることは動物の飼育放棄や処分を防ぐために必須の考え方です。

すべての人が自分の希望より動物の状況を考えて客観的な判断ができれば、飼育の放棄や動物の殺処分はなくなるはずだからです。

発達障害と精神障害の当事者で、動物の保護団体に参加して活動を続けているライターが、動物の保護活動に参加してみたいとお考えの似た状況の方の参考になる情報をご紹介するために、発達障害の人がペットに関わるには? 飼う以外の方法も の追加記事としてこの記事を書いています。

関連記事:発達障害の人がペットに関わるには? 飼う以外の方法も

何をしてよいかわからなくてもできること

やり方がわからないとき、すぐにできて確実に動物のためになる活動を応援できる方法は信頼のおける団体への寄付です。

経験のあるプロやボランティアの活動の費用を負担すれば確実にサポートすることができるためです。

寄付を募っている保護団体の多くは寄付の状況と使いみち(収支)をホームページなどで公開していて、寄付したお金が何にどう使われたのかわかるようにしています。

参考:公益財団法人 日本動物愛護協会(関係省庁:内閣府 環境省(自然環境局総務課動物愛護管理室))
参考:保護犬・保護猫 支援プログラム – Amazon.co.jp

お金の寄付以外の形で協力をしたいとき

どうしても寄付以外の活動に参加したい強い意思がある場合は、個人でも寄付を集める活動や動物を飼えなくなった飼い主からの引き取りと保護、里親探しを行うことができます。

保健所などの公的な施設へ収容された動物を引き取り、自分で飼うのではなく第三者に譲渡する(里親に渡す)ことができるのは基本的に自治体や各施設の認定をうけた団体に限られています

自治体や各施設とつながりのない個人や団体が収容動物を引き出すことは困難になるため、すでに活動実績のある動物保護団体に参加してその中で自分のできる仕事をする人が多いのです。

次章より具体的にペット動物の保護活動や、仕事を通じて応援する方法についてご紹介します。

参考:ご提言等の内容(保健所の犬猫について)|香川県
参考:東京都に登録された譲渡対象団体一覧 | 東京都動物愛護相談センター ワンニャンとうきょう

仕事を持って経済的に自立していないとできない?

育児中でボランティアをしたい人

活動スタイルはさまざま

仕事をもって経済的に自立している人でないと活動に参加できないのでは……と不安に思う人もいらっしゃると思います。

親族や家族の経済的援助を受けたり、一緒に生活していて完全に経済的に自立しているとは言えない場合でも家族の理解や許可があり、自分の事情が理由で他のメンバーに負担や迷惑をかけないなら、自分が自由に使える時間やお金の範囲で社会活動に参加するのは個人の自由です。

保護団体のメンバーには仕事をリタイアした人や、一般就労ではなく家事などをメインに行っている主夫・主婦の人も多いので、得意なことが生かせる仕事があったり、自由になる時間でできそうなことがあればチャレンジしてみてもよいでしょう。

団体に参加してその中で自分のできることをしたいという人は保護団体のホームページやチラシなどに活動に参加する方法や条件、問い合わせ先などが案内されていることがほとんどですので、それを見て自分で参加できそうだと思えばぜひ問い合わせ・参加してみてください。

キーワード「自治体(都道府県・市町村区)」+「犬(猫)」+「保護団体」などで検索すると団体や活動の情報が出てきます。

参考:登録団体・千葉県動物愛護ボランティア活動/千葉県

保護団体のメンバーとして活動する

仲のよいメンバー

保護団体への参加が不安な人へ

保護団体の実際の活動内容を知る機会がなく、ネットなどで動物の保護活動をする人や団体を非難する発言を見て、保護団体への参加が不安になっている人もいらっしゃると思います。

ネット上で「自分が動物をもらってやると言っているのに、自分の身元や生活・家の環境について詮索される筋合いはない、なぜ動物をよこさないのか」などと非難している人がいますが、その言行から自分の環境の変化や動物の飼育に関する問題が起きたときに、周囲と軋轢を起こさず適切に対応することが難しい人物と判断されている可能性があります。

保護された動物の安全のために里親になる人や飼育の環境について慎重に選ぶのは活動を進めるうえで必要なことです。

繁殖業者以外の一般の飼育放棄の原因は人間の環境の変化(失業、離婚や家族のアレルギー、飼い主の病気や死亡など)がほとんどであることをご理解いただけて、動物の適正な飼育を望んでいる人ならば最低限必要な情報であることはご理解いただけるのではないでしょうか。

参考:ペットを飼う心構えについて :: ペットのおうち【月間利用者150万人!】 

保護団体の活動の種類について

種類の違いのイメージ

飼育放棄された動物を保護して里親を見つける活動

現状の法律では動物の飼育放棄をしても大きな罰則が科されるケースはまれなので、法律が現状に追いつくまでは飼育放棄される動物が出ることになります。

飼育放棄された動物を習性飼育できる里親を見つけるまで、動物の飼養と医療ケアなどを行うボランティア活動をしている団体や個人が多く存在します。

このような団体で活躍できるメンバーは、団体の方針や指示に沿って活動ができるタイプの人です。

先輩メンバーやリーダー的な立場にある人の指示に素直に対応できないと仕事を任せてもらうことが難しくなるためです。

動物の世話が得意な人のほかにも、動物を移動させるために自家用車を出せる人なども歓迎されます。

荷物を積める自動車を使えるメンバーは、団体のチャリティイベントや資金集めのフリーマーケットなどの際にも荷物運びで必要とされる役割です。

活動中の事故やトラブルに備えてメンバーへボランティア保険への加入を義務付ける団体も増えています。

参考:ボランティア保険について|かながわボランティアセンター
参考:ボランティアの保険|社会福祉法人 大阪府社会福祉協議会

法律の改正を目指す活動

動物の愛護及び管理に関する法律や動物の飼育に関する条例の改正を求めたり、動物の動物の虐待を行った悪質な繁殖業者への厳罰を求めたりする活動もあります。

主に署名を集めて省庁や自治体、政治家などに提出して法改正のために活動するよう働きかけたり、一般の人々に動物の愛護に関する知識や情報の啓発活動を行ったりするのが目的の団体です。

まずは法律と人々の意識を変えたい! という思いが強い人はこのような団体での啓発活動に参加したり、寄付やグッズを買ったりして団体を応援するのが向いているかもしれません。

里親探しや保護動物の世話をメインに行う団体で”何よりもまずは法改正! 動物愛護の知識を広めましょう! ”と主張したら、目的の違いのために他のメンバーから敬遠されてしまうかもしれません。

団体の理念や活動指針を理解し自分のやりたい活動を行っている団体に参加したほうが人間関係のトラブルを避けやすいでしょう。

参考:動物の虐待等に対する罰則が強化されました 東京都福祉保健局
参考:環境省_動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年6月19日法律第39号) [動物の愛護と適切な管理]|環境省

個人で特技を生かして活動する方法

得意な技術を生かす人のイメージ

仕事(本業)での利益の一部を寄付する

得意なことを仕事にしている人が、本業の利益の一部を応援する保護団体に寄付をするケースもあります。

仕事の中でも好きな動物との接点を作れば仕事のモチベーションが上がりますし、同じものを買うなら、収益の一部が保護活動に寄付される店で買おうとお客様からも応援していただける場合があります。

下記のような業種が該当します。

動物は直接関係のない業種で、収益の一部を寄付するケース

動物は直接関係のない業種で、店舗やオフィスに募金箱を設置するケース

猫(犬)のグッズの販売

犬(猫)服・犬(猫)用のグッズの販売

犬(猫)カフェなどのペット同伴可能の飲食店

猫(犬)をテーマにしたアート作品、グッズの製造販売

猫(犬)の保護をテーマにした小説や漫画、映像作品、アート作品を作り啓発活動を行う

参考:LOVE & Co. 一般社団法人LOVE & Co.は保護猫がはたらく会社。オフィスで行き場のない猫の保護・譲渡活動を行なっています。保護猫たちをモチーフにしたコーヒーや雑貨を販売しています。

自分の得意なことをマネタイズして利益を寄付するケースが増えている

たとえば猫の保護活動を応援するために、自分で猫の絵を描いてデザインしたグッズを作り販売することで収益を保護団体や活動へ寄付する活動をしているケースもあります。

公的な場所でのフリーマーケットなどでは手作り品の販売が禁止されているケースも多いのですが、個人で作品を販売するプラットフォームも増え、個人でも収益化がしやすくなっています。

扱う商品の種類、販売手数料(振込手数料)、利用者数、どのような利用者が多いかなどサービスを比較してハンドメイド品やグッズ販売に挑戦してみてもよいでしょう。

参考:【インスタ】フォロワーは数じゃない!たった500人のフォロワーで月に15万円稼ぐ主婦の驚異のファン獲得方法を公開!【インフルエンサー百鬼夜行:番外編】 – YouTubeより

▼個人でハンドメイド品・不用品販売が可能なサービス

参考:minne | 日本最大級のハンドメイド・手作り通販サイト
参考:Creema(クリーマ) |ハンドメイド・手作り・クラフト作品の通販、販売サイト
参考:自分だけのオリジナルアイテム・グッズを手軽に作成・販売 | SUZURI(スズリ)
参考:BASE (ベイス) | ネットショップを無料で簡単に作成
参考:ネットショップひらくならメルカリShops (ショップス)

活動の上で注意したいこと

ハンドメイド品のイメージ

物の寄付で気を付けること

中古の不要品やハンドメイドの品物の寄付をしたいと思った場合、一度、保護動物や保護活動をする人の状況について考えてみてください。

寄付する品が直接動物の世話に使えるものでない場合、その品物を販売する手間や時間がかかることになり、動物の保護や世話や活動費用を得るために使いたい時間を余分に割かなくてはいけなくなります。

現在はネットフリマ・ネットショップのアプリやWebサービスが増えて不用品・ハンドメイド品が個人で販売しやすくなっています。

不用品も近隣地域のフリーマーケットに自分で参加して換金すれば、寄付先に販売の手間を負担させずにすみます。

寄付先で発生する手間や労力を想像し、できるだけ相手方に負担のない形での寄付を心がけましょう。

参考:メルカリ – 日本最大の売れるフリマサービス
参考:楽天ラクマ(旧フリル) | 楽天のフリマアプリ – 中古/未使用品がお得!
参考:ヤフオク! – 日本最大級のネットオークション・フリマアプリ

ある団体での活動が難しくても、他に自分に合う活動ができる場所を探すことができる

活動を行う上で人との関わりが発生する以上、仕事や友だちとの関係と同じで、時にはほかのメンバーと考え方や性格が合わず、活動が思うようにできないケースもあると思います。

そのような場合は考え方で衝突や議論をするより、自分の考えややりたい活動に合う団体や活動を探したほうが効率が良いでしょう。

参考:群馬県 – リンク集(内閣・省庁・動物関係団体)

健康上の問題、経済的な問題があって自分の行動に責任が持てないとき

体調が悪くなって当日キャンセルする場合がよくある・交通費などが必要になった際に負担できないなどの健康上・経済的な不安があるときは、当日欠員があると他の人へ迷惑がかかる活動への参加は避けたほうが、自分にとっても団体のほかのメンバーにとっても良いでしょう。

別の方法で参加・支援ができないか考え、自分が責任もって行える範囲での活動にとどめておいた方がトラブルにならないでしょう。

活動に参加する上で目に見えない障害や病気を他のメンバーに伝えてよいのか

たとえば発作が起きた時に薬を飲ませてほしいなどの命に関わる事柄があれば伝えたほうが良いでしょう。

ボランティア団体の参加者も他の一般の人たちと同様、目に見えない障害や病気に対する理解や協力の度合いは人それぞれです。

他の活動や就労などの場合と同様、病気や障害を公表したり、そのために必要な配慮をお願いしたりした場合、サポートできる余裕がないことを理由に参加を断られる可能性があることは了承しておきましょう

ただし事故や危険を避けるためにも体調不良や健康上の問題を隠して参加するのはやめましょう

体調に自信を持てないときは当日欠員があると他の人へ迷惑がかかる活動への参加よりも、対面せずにできる支援を行う方法を探す方が良いかもしれません。

募金、資格・教材ビジネスなどの詐欺被害にあわないよう注意する

目的が不確かな募金・署名活動や、ドッグトレーナーやペットシッター・シニア動物の介護など民間団体の資格を取るための教材を販売する資格商法があります。

資格を取った人がどのような仕事をしているのか具体的にわからないものは特に注意が必要です。

SNS経由で拡散する不審な募金活動・クラウドファンディングを装った詐欺もあるので、こちらも募金を集める団体の情報や目的が不明瞭なものは避け、拡散にも協力しないようにしましょう。

参考:資格商法 | 牛久市公式ホームページ
参考:ウクライナ情勢を悪用した手口にご注意!-SNSでの義援金詐欺-(発表情報)_国民生活センター

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まとめ

ハート型の花

障害や病気があっても後悔のないよう、仕事も社会活動も好きなことをしたい

体調面や社会活動への参加に不安がある場合は、支援者の力を借りるのも選択肢の一つです。

現在では動物保護活動を行う障害者・高齢者の支援事業や、利用者が動物に関わる仕事を行えるよう職業訓練を行う事業、保護動物と暮らせるグループホームなどの多様な事業があります。

ぜひ地域(都道府県、市区町村)名と障がい者支援(障害者支援)などのワードで検索して、どのような方法があるのか調べてみてください。

参考:#障がい者支援 ハッシュタグ – Instagram
参考:障害者 保護猫の求人 | Indeed (インディード)
参考:おしゃれなフリー写真素材|GIRLY DROP(ガーリードロップ)|おしゃれなフリー写真素材:GIRLY DROP
参考:フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com)

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