作成日:2018.08.25
事業所名

一般社団法人 障がい者・高齢者じりつ支援機構 でらいとわーく|東京都大田区

“自分にとってのちょうどいいを知る。幸せな就職のために。”

サービス

精神障害(うつ、統合失調症など)や発達障害、高次脳機能障害を抱える方に向けた支援を行なっています。
「でらいとわーくグループ」の考えとして、体調の波を見逃さずに、体調を崩すきっかけに“気づき”、対処方法を身につけていく事が、精神障がいのある方の最も大切なスキル習得だと考えているそうです。それが、自分にとって”ちょうどいい”働き方の実現に繋がっていきます。

ちょうどいい働き方を実現することは、なかなか難しいことです。
若い頃や元気さが溢れていた時の、残像が残っていることも理由の一つで、当時と同じように頑張り過ぎてしまい調子を崩してしまうこともあります。
社会復帰は、登山に似ています。高山病を起こさないためには、ある程度の負荷が必要で折り合いをつけながら、高度順応をしていく必要があります。
到達地点となる目標が明確に定まっていると、ペース配分を調整できますが、目標やゴールがみえない中、頑張り続けるには”ちょうどいい”負荷や環境を知ることが必要です

ちょうどいい負荷を生み出していくために、事業所のなかでは失敗していい場所にして欲しいそうです。
筆者は、「成功の反対は失敗ではなく、挑戦しないこと」という言葉を座右の銘としているのですが、失敗の機会を安心して提供されていることに、共感と他にない新しさを感じました。
また、利用者さま同士のコミュニケーションを大切にされています。具体的には、面接練習などを行う際に、ポジティブな面をお互いにフィードバックし合うなどの取り組みを行っているそうです。
働きたいという気持ちを持つもの同士が、同志として、お互いに知り合い、お互いに関心を持って、向上できる社会こそが、就労の現場の理想と考えているそうです。
そのため、でらいとわーくでは、障がい(高齢で体が不自由な事も含めて)の特性上、工夫があって働きたいという希望や目標の達成ができるのであれば、その環境を提案、提供するべく、企業に対して働きかけ、仕事の創造も提案しています。

でらいとわーくでは、誤解を恐れずに表現すると、福祉のプロは目指していないそうです。
スポーツジムのインストラクターのように、あなたの成長を支援し伴走できるコーチに近いイメージです。自己肯定感、自己効力感が自然と出てくるような、エンパワーメントに特化した支援を行なっています。

一般社団法人 障がい者・高齢者じりつ支援機構 でらいとわーくの看板

性格は変えられない。でも心は変えられる。

一般社団法人 障がい者・高齢者じりつ支援機構 でらいとわーくのオープンスぺース

事業所はオフィスの雰囲気漂う広いオープンスペース!

カリキュラム

就労や復職に向け、下記のプログラムをそれぞれの希望や状態に合わせて、個別に設計しています。カリキュラムの特徴は、スキルを身につけることよりも”ちょうどいい”を知り、自信を徐々に積み重ねていくことができるようカスタマイズしていることです。

就労支援:グループワーク、パソコンプログラム、ビジネスマナー(元アナウンサーによる特別プログラム)、自己管理プログラム(WRAP)、集団認知行動療法、アサーショントレーニング、傾聴トレーニング、職場見学、体験、就職活動、個別支援など

復職支援:リワークプログラム、うつの方への回復リハビリプログラムの提供、アビリティデザインプログラム、ロードマッププログラム

 

また、特徴的なプログラムのひとつとして公文をやっています。公文を行う目的は知識を詰め込むための勉強ではなく、前頭前野を鍛えることができ脳のフィットネスに効果的であるためです。身体を鍛えるだけではなく、心や脳が疲れてしまう方に向けて、脳を活性化していくことでも体力をつけていくことに繋がっていきます。

公文やその他のプログラムにおいて共通することが、目標を自己選択できることです。その日行うプログラムや、プリントの枚数に至るまで、その日の目標は自分で決めます。でらいとわーくの支援方針は、いいところや頑張ったところを見つけていくことが目的であるためです。頑張ったところを褒めることも多くありますが、褒めることを目的としているわけではなくあなたにとって”ちょうどいい”頑張り方や過ごし方を一緒に見つけていくことが大切だと考えています。

そのため、自然と自分を褒めることができるよう、利用者さんからも評価をしてもらっている(逆の立場を体験してもらう)そうです。それぞれの立場を経験することで、自分を客観的にみて相手の立場に配慮した考え方を鍛えることもできます。

仕事を継続していくにあたり
『ひとのため、自分のため』という二つの側面があります。

自分のために自分で選択できるということと、
ひとのため、相手のために成長にしたいと思えることも大切です。感謝を行動で示していくこと、絶対的に必要な要素です。

カリキュラムの根底には、『感謝を行動で示していく姿勢、ひとに愛されるチャーミングさをもつ魅力的なパーソナリティを身につけていってほしい』という思いを込めているそうです。

スタッフについて

でらいとわーくのスタッフの皆様

皆様あたたかい笑顔で迎え入れてくださいました!

でらいとわーくのスタッフのお二人の作業風景

広いオープンスペースの一角です。スタッフの皆様とも気軽にコミュニケーションをとることができます。

でらいとわーくの施設長とサービス管理責任者の方

左側 :紺屋(こんや)さん 施設長 右側 :三井(みつい)さん サービス管理責任者

働くことができそう!この人たちに感謝している!
そう思っていただけるような支援や行動を重ねていきたいそうです。
魅力的な方々がそろった環境です。

就職活動時、就業後のサポート

スタッフの皆さまが一つひとつ丁寧に関わり、希望を理解して、その希望や目標を一緒に叶えられるようにトレーニングに取り組み、就職した後も就職先と、そこで働く方双方にとって幸せな関係づくりに取り組んでいます。

希望と合った仕事を始めてみても、会社に入ってみると合わなかったというケースもあるそうです。そうならないように、自分にとっての”ちょうどいい”を知ることで、その後の仕事内容を想定し、事前に相手に確認できるようになります

また、対処療法のような面接指導(外面を鍛える)ではなく、根本の内面の部分を成長していけるように、失敗も気軽にできるそれぞれの家のような環境を目指しているそうです。就職はご自身の希望や思いを尊重しているそうですが、就職がいちばんの目標ではないとのこと。自立できる自分の環境を整えていくことが大事です。

採用している会社を見つけることは難しいことではありません。ただ、双方のマッチングの精度を上げて、入って幸せという状態をつくっていくことは、本当に難しいことだそうですが、理事長や施設長は職業紹介のプロフェッショナルであるため、この幸せな就職の実現のために組織一丸となり取り組まれています

また、定着支援についても行なっていますが、本来は頻度は多くなくていいそうです。適した環境とのマッチングが上手くいっていれば、定着支援は本来必要ありません。

ナチュラルなサポートは継続して行なっていき、ひとから好かれるチャーミングさなど活かして、自立に近づいていってほしいそうです。
どこにいっても可愛がられるような成長を、ベースの人間性から実現していくことができるよう、サポートしています。

一般社団法人 障がい者・高齢者じりつ支援機構 でらいとわーくの求人情報

就職情報は、プロのキャリアコンサルタントがあなたに合った求人を提供します。

一般社団法人 障がい者・高齢者じりつ支援機構 でらいとわーくのガイドライン

ガイドラインには、でらいとわーくの思いが詰まっています。

オープンスペースで、それぞれ行いたいことを個別に行うことができます。

一般社団法人 障がい者・高齢者じりつ支援機構 でらいとわーくの相談スペース

離れたスペースにテーブルもあり、相談なども行いやすいです。(壁に仕切られた独立した面談室もあります)

事業所の設立経緯

理事長の林尻さんは、もともと外資系メーカーで働くビジネスマンでした。

その後、職業紹介のお仕事をするなか、東日本大震災の際に、体調悪化され数ヶ月で転職を余儀されてしまうひとと多く接しました。うつで休職される方もいらっしゃり、障害は自分とかけ離れたことではないと感じられたそうです。

ほどなくして、ご友人が登山中、滑落してしまい高次脳機能障害になってしまいました。ご自身の経験を活かし、希望を抱くことができるよう、行動できる支援者でありたいと考え、2014年にでらいとわーくを立ち上げられたそうです。

法人立ち上げにあたり、利益を追求していくと、売上に目がいってしまう。真にひとの役に立てる組織をつくりたい。そのため非営利での法人形態を選択されたそうです。

『はたらく喜びをつたえていきたい。はたらくことが、生きていく糧になるのではと思っている。』
このような思いを胸に、でらいとわーくを設立されました。

理念、ビジョン

いつの日か、「障がい者を採用した」ではなく「一緒に働きたいと思って採用した人がたまたま障がい者だった」といえるような人財がいる支援機関になることが、“でらいとわーくグループ”の目標です。

事業所の現状の課題

取り組みをもっと世の中に広めていきたいと考えています。そのためには、賛同できる仲間や外部の協力者が必要です。

メッセージ

筆者は、”ちょうどいい”就職という幸せなマッチングについて、深く思考し組織全体で後押しされている「でらいとわーく」の取り組みは、できることとできないことの特徴が際立つことを悩みとされている障害を持つ方に強く力になってくれるものと感じました。

福祉的な作業など行わなくてはいけないのでは?と、就労移行支援施設の利用をためらわれている方も、就職活動の悩みを相談してみるなどされてみてはいかがでしょうか。

(salad編集部 森)

法人概要

名称 一般社団法人 障がい者・高齢者じりつ支援機構 でらいとわーく|東京都大田区
サービス種別 就労移行支援
利用時間

9:30-15:30

対象となる方障がい(障がい者手帳がない方でもお気軽にお問い合わせください)をお持ちの方で就労や復職を目指す方
所在地
  • 〒144-0052 東京都大田区蒲田5-30-15 第20下川ビル4F

移動経路

交通手段蒲田駅より徒歩5分
HPhttp://jiritsu-shien.org/index.html
この事業所の運営組織

一般社団法人 障がい者・高齢者じりつ支援機構

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