サービス
聴覚障がいを有する方への専門的な支援を行なっています。聴覚障がいの特性に合わせたプログラムを用意し、スタッフにおいても聴覚障がいの特性を理解したメンバーが揃っています。
いそひとの特長は三つです。
◎「聞こえ」の課題を対処できるようにするための、聴覚障がいに特化したプログラムや研修を用意していること
◎実践的な職業トレーニングを行なっていること
◎コミュニケーションスキルを高めるための学びが得られること
「聞こえ」にまつわることの悩みは、聴覚障がいを有する方の中でも千差万別です。
聞こえの程度や状態が、人それぞれ全く異なるためです。
聴覚障がいにまつわる包括的なサポートを行うことができるよう、ストレスマネジメントなど心理面のアプローチを含めた多彩なプログラムを用意しています。
また、実践的な職業トレーニングに力を入れています。
「いそひと」を運営する株式会社ゼネラルパートナーズは、障がい者の就職実績No,1の就職サービスアットジーピーを運営しています。
そのため、約2,000件(2019年1月末時点)に及ぶ求人から、聴覚障がいに理解のある企業との縁を創出しています。
それらの企業から得られた知見を活かして、50職種以上の模擬職場を事業所内で再現しています。模擬職場として職業体験を行う意図としては、訓練というよりも適職発見という意味合いが強いそうです。
コミュニケーションにおいては、「手話やPCを用いたメッセージのやりとりなどで大丈夫なのではないか?」と考える方も多いかもしれません。筆者はそのように考えていました。
ただ、「聴覚障がい」と一言で言っても、それぞれの人が生きてきた背景は全く違います。先天的に重度な方はろう学校に通われていて、一般的な学校とは学ぶことが大きく異なります。中途難聴(後天的な聴覚障がい)の方においても、状態や経緯によってコミュニケーションをとることのできるレベルや努力すべき方向性が異なります。
親御さんからの遺伝というケースもあり、家庭環境によって文化が異なる場合もあります。
そのため、それぞれに合った形で、うまく社会と関わりを深め就労を実現していくために、世の中の情報の取り方やコミュニケーションの仕方を提案しています。
聞こえない人が、聞こえる人とコミュニケーションをとる手段は様々な方法があります。
補聴器や、人工内耳などの「聞こえ」の状態を良くする医療機器を活用する方法だけでなく、
PCや、ブギーボード、ユーディートーク、といったITツールを活用する方法もあります。
コミュニケーションの補償手段はこれからも増えていくものと考えられており、もしも、あなたが手元の手段だけで限られた目的にとらわれてしまっているようでしたら、まずは相談してほしいそうです。「いそひと」では、解決のための手段だけでなく、視野を広げるきっかけを提供することができます。
カリキュラム
プログラムは、
・職業トレーニング(模擬職場での実践的なトレーニング)
・ビジネスマナー研修(レクチャー形式でビジネスマナーについて学ぶ)
・ストレスマネジメント(レクチャー形式でストレスマネジメント、アンガーマネジメントについて学ぶ)
・就活研修(書類の書き方や面接対策など)
など、共通プログラムをベースに、個別の適性や適職を見出すスタイルで行なっています。
模擬職場での実践的な職業トレーニングは、設定も具体的です。
例えば、マーケティング部門のアシスタント事務などのお仕事の場合は、業界(旅行会社など)、所属部署の課題(新しい事業に参入したいが対象となる市場データが足りない)、仕事内容(マーケティングのなかでも、データ取得・分析・グラフを用いた資料作成に取り組む)など、仕事の目的を理解し具体的な作業に落としこめるように、状況を設定します。
そうすると、何が仕事の成果となるかがイメージでき、何が自分に足りなくて、そのために何を訓練すれば良いかが明確になっていきます。模擬職場は、五十種類以上用意されており、これらは「いそひと」の事業所内で行うことができます。
運営会社のゼネラルパートナーズでは、約2,000件(2019年1月末時点)に及ぶ求人から、障がいを有する方の適職を見出すための就職サービスを展開していますので、このノウハウがあります。
模擬職場をいくつかこなしていくことで、自分にとっての適職が判断できるようになっていきます。
また、コミュニケーションのプログラムにおいては、語彙の少なさからくる誤解を減らすことができるように、特別なカリキュラムを組んでいます。
同じ日本語でも、聴覚障がいを有する方はつっけんどんに聞こえてしまう発音をしてしまう場合があり、知能障がいと勘違いされてしまうケースがあるそうです。
発音だけでなく、似た意味を持つ言葉、例えば「横」と「隣」の意味の違いを考え表現するなどのトレーニングも行っています。言葉のバリエーションが増えていくと、表現やニュアンスが正確になっていき、自分の気持ちや状況の説明がうまくいくようになっていきます。
就職活動時、就業後のサポート
事業所の設立経緯
「いそひと」をオープンする少し前の2014年当時、『本当に困っている方々は誰なのか』と調査した際に、聴覚障がいの方々が就職においてとても困っていたそうです。
当時、ちょうど精神障がいを有する方の雇用がクローズアップされ、就職先として聴覚障がいを有する方と同じ仕事領域を希望されることが多かったそうです。その一因もあり、聴覚障がいを有する方の就職実績がなかなか増えていかない現実がありました。そのため、社会や個人に視野を広げるきっかけと『聞こえ』の問題を解決に導くべく「いそひと」を設立しました。
理念、ビジョン
「いそひと」との出会いが、人生の転換点になってもらえたらと考えています。
「いそひと」とは、51という意味があります。
音のある世界は、50音の世界です。
そんな、聞こえる人たちと変わらない世界とできるよう、51番目の手立てとなりたい。
その手立てがあれば、「聞こえ」の問題にかかわらず同じ世界・社会で暮らすことができるようになる、そんな存在となることをビジョンとしています。
事業所の現状の課題
定着率にまだまだ改善の余地があります。
例えば、年齢が高く、転職が多い方は、通所する意義を見出す前に手元の求人をすぐに受けてしまうことがあるそうです。適職を見出したり、コミュニケーション力を高めるには、ある程度時間を要する場合があります。ご自身の強みの活かし方や、不得手な部分の工夫の仕方、このような領域において聴覚障がいを有する方特有のコツがあります。
メッセージ
「聞こえない」ことのしんどさや辛さがわかるスタッフや仲間がいる環境です。
事業所には、同様の悩みを有するいろんな人との出会いがあり、また、スタッフの皆さまの明るさや、適切なノウハウを基とした後押しに救われる方も多いのではと感じました。
病院にいっても、診療はあくまで身体的な治療のためですので、これ以上状態が改善する見込みがないと判断されてしまった場合に、適切なフォローを行なってくださるところは世の中で限られてしまっています。
「いそひと」では、あなたの希望を叶えていくために、何ができるかを様々なアプローチから支援してくれます。
誰でもそうですが、自分で考えているだけでは、新しい気づきはなかなか得られないものです。
新しい一歩を踏み出したいとお考えの方は、「いそひと」の皆様に相談されてみてはいかがでしょうか。
salad編集部 森
法人概要
名称 | いそひと大手町 聴覚障がい専門の就労支援|東京都千代田区 |
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サービス種別 | 就労移行支援 |
利用時間 | 10:00-16:00 |
対象となる方 | 一般企業等での就職を希望する方 、障害者手帳を保有している方(お持ちでない方は別途ご相談ください)、 満65歳未満の方 、離職中の方(例外あり) |
所在地 | 〒101-0047 東京都千代田区内神田1丁目5-4 |
交通手段 | 利用可能駅:大手町駅(A1 または C1出口)、神田駅(南口または西口)、小川町駅(B6出口)、淡路町駅(A4出口)、新日本橋駅(出口2) 利用可能都営バス:神田橋、内神田一丁目 |
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HP | https://www.atgp.jp/training/access/otemachi/ |
この事業所の運営組織 |