障害を有する方にとって、通勤の負担はかなり大きなものです。
そのため、在宅勤務など場所にとらわれない働き方が注目されています。在宅勤務は、通勤負担軽減だけでなく、働きやすさ向上などの側面もあると言われています。
在宅勤務をやってみようとすると、どのようなメリットがあるのでしょうか。また、デメリットは存在するのでしょうか。
双方を比較のうえ、在宅勤務という働き方が自分に合っているのか、確認していきましょう。
在宅勤務のメリット
在宅勤務の大きなメリットは、好きな時に好きな場所で働くことができることです。
自分で目標実現のためのスケジュールを立てることができて、仕事を自己完結できる人は、積極的に検討していきましょう。
スケジュール作成と実行、仕事の自己完結に不安がある方でも、企業のマネジメントメンバーが在宅勤務に対応できているようであれば組織のフォローを受けることができますので、所属する企業選びも大事な要素です。
障害特性に工夫がしやすく、得意なことに集中できる
在宅勤務のメリットの一つが、障害特性(感覚過敏など)に影響しない仕事しやすい環境を自ら用意できることです。自らが得意なことに集中できる環境(働く時間含め)を自由に構成できることは大きなメリットです。
ただ、在宅勤務に向く仕事と向かない仕事があります。
在宅勤務に向く仕事は、ライターやWebデザイン、プログラマーなどの成果物が、データなどのモノとして納品できる仕事であることです。
事務の仕事でも、資料作成やデータ入力などの、成果物が納品できる仕事であれば、在宅勤務で対応することが可能です。
逆に、来客対応などのオフィスや店舗に出勤しないと行うことができない仕事の場合は、現状では在宅勤務はできません。テクノロジーの進化により、ゆくゆくは在宅勤務ができる仕事の幅が広がる可能性があります。
ワークライフバランスが実現しやすい
業務時間も柔軟に設計できるケースが多いことと、通勤負担が軽減されますのでワークライフバランスの実現がしやすいです。
ワークライフバランスとは、働く時間とプライベートの時間の両立を、自分である程度コントロールして決定できるようにすることです。
成果により正当に評価される
コミュニケーションが苦手な方であっても、仕事の成果で正当に評価されやすくなります。
とはいえ、報告・連絡・相談をこまめに行い、仕事の発注者(上司など)が期待する成果に対し、的確に応えていく姿勢を示さないといけませんので、コミュニケーションを行わなくていいということではありません。
仕事の成果を示すためには、相手があなたに期待する仕事の役割(品質、納期、主体性など)を理解するアンテナを高め、的確にアウトプットしていく必要があります。
何をすればいいか、事前にすり合わせておく仕事の準備が、実はとても大事です。
在宅勤務のデメリット
メリットが多い在宅勤務ですが、デメリットもあります。自由が多い反面、それに伴う責任を受け入れなくてはいけません。
サボることが容易
スケジュールを自分で組み立てることができるため、サボっていても誰にも咎められることはありません。
締め切りなどの納期が迫ってきて、焦って仕上げてしまうと品質が伴わないものができてしまうかもしれません。仕事の目標から毎日やることを逆算してスケジュールにし、そのスケジュールを必ず守れるように実行していくコツコツタイプの方でないと、在宅勤務はなかなかうまくいきません。
制度を悪用するなどの問題点があると、企業側が想定するケースも
在宅勤務は前述のようにサボることが容易であるため、制度悪用を防ぐため、企業側が細かく管理したがるケースがあります。管理されたくない方は、企業側に改善を求めるよりも前に、まずはその管理体制の中で実績や成果を出してみるといいかもしれません。そのうえで、管理されなくてもやっていけると行動で示していくと、企業側も要望を受け入れやすくなります。
わからないことがあっても、1人で解決しないといけないことが多い
上司や同僚がそばにいて、すぐ質問して答えてくれる環境ではありません。(ビデオチャットなど、即時性の高いIT設備を導入している企業は別)
仕事を受ける際に、想定しうる課題や質問事項は、ある程度解消しておくなど、事前に工夫や準備をしておくと効果的です。
セキュリティ対策などの注意点が存在
個人情報などの秘匿情報を扱う仕事の際は、PCの扱い(紛失防止、ハッキング対策など)には十分気をつける必要があります。
デメリットは工夫次第で解決できる?
デメリットは、企業や個人の準備や工夫次第で解消することができます。
今後はテクノロジーの進化(即時性の高いコミュニケーションツール、ビデオチャットなどの浸透)により、在宅勤務がより一般化されていくと言われています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
在宅勤務は、仕事の発注者(上司、クライアントなど)との信頼関係が何より大切になってきます。
発注者の依頼に応えるだけでなく、発注者が何を課題としているからこそあなたに仕事をお願いしようとしているか、そこに気づくことができるかがとても大切です。
そこに気づき、発注者の助けとなれるよう行動し続けることができると信頼が深まり、在宅勤務を続けることが容易になっていきます。
充実した在宅勤務を実現するための、参考としてもらえましたら幸いです。